生ハム、チーズ、ほたて。妊娠中は口にするのを控えていた3品が、出産を終えた女性の目の前にそろって並びました。産院から運ばれてきた「お祝い膳」(出産を終えた人のために産院が用意する特別な食事)です。「お祝い膳があると思ってなくてびっくりした」「10カ月ぶりの生ハムチーズほたて!!!」。そんな言葉を添えてXに投稿された写真が、多くの人の目を引きました。
投稿したのは、34歳の看護助手・さくさん(@sakuruton)。重いつわりと切迫早産での入院を経て迎えたお祝い膳について、話を聞きました。
我慢した10カ月の先に 「ニヤニヤしながら食べていた」
お祝い膳がコース料理だとは思っていなかったというさくさん。
「まさかコース料理がいただけるなんて思ってなかったのでびっくりでした」
妊娠中に我慢していたものは、生ものだけではありません。大好物の魚卵、卵かけご飯、半熟卵を使った料理。
「お寿司を食べに行っても、とりあえず魚卵だった私にとって、お寿司屋さんがつらかったです」
半熟卵がのった料理など、卵料理を控えるのも苦しかったといいます。
そうして迎えたお祝い膳で、最初に口にしたのは生ハムでした。妊娠前はお酒が大好きで、生ハムをつまみに飲んでいたそうです。
「すごくうれしくてニヤニヤしながら食べていた反面、もう食べていいのかと、なんとなく妊娠期間の終了を感じ、少し寂しい気持ちもありました」
投稿には多くの反響が寄せられ、102万回以上表示されています。「おめでとうございます」「いっぱい食べて子育てがんばってねー!」といった祝福の声のほか、「10カ月ぶりのほたて最高そう」「久しぶりに生ものが食べられるのは感動ですね」と食事に共感する声も。「早くお身体回復されますように」と体を気遣うコメントも届きました。
中でもうれしかったのが「ママが頑張ったからこれくらいの贅沢当然です」という言葉だったといいます。
切迫早産で1カ月以上入院 病院食が「唯一の楽しみ」
さくさんの夫は53歳の整備士で、19歳差の夫婦です。年齢差もあり、子どもは諦めていたそうですが、「挑戦だけしたい」という思いで妊活を始め、息子さんを授かりました。
妊娠中はつわりが重く、妊娠初期から6カ月ごろまで仕事を休職。ようやく復帰したものの、2カ月後に切迫早産(早産の危険がさし迫っている状態)と診断され、再び休職してそのまま産前休暇に入りました。入院は1カ月以上に及び、退院した翌週に出産したといいます。
入院中の「唯一の楽しみ」だったのが食事でした。入院していた産院の食事は、普段働いている大学病院の食事よりも品数が多く、味付けも薄いわけではなかったそうです。毎日3食のうち必ず1食は魚料理が入っていました。「妊娠中の栄養面でも素晴らしいと感じました」と話します。
「Welcome Baby!!」に実感 「ママになったんだな」
生ハムから始まったお祝い膳。そのデザートのプレートに添えられていたのは、「Welcome Baby!!」の文字でした。
「ほっこりした気分になり、思わず写真を撮ってしまいました。ママになったんだなって感じました」
壮絶だった妊娠期間を、さくさんはこう振り返ります。
「息子の顔を見たらすべて吹き飛びます。無事に生まれてきてくれてありがとうの気持ちでいっぱいです」