月組トップスター時代から「七色の声をもつ歌の妖精」と称され、宝塚歌劇団退団後も俳優・歌手・声優として輝き続ける涼風真世さん。今年デビュー45周年を迎え、5年ぶりのニューアルバム『Fairy 妖 –Ayakashi–』を10月14日にリリースする彼女に独占インタビューをおこなった。
『エリザベート』『レベッカ』『モーツァルト!』『マディソン郡の橋』など数々のミュージカルナンバーや、深遠なファルセットを響かせる「もののけ姫」、宝塚時代の代表作『PUCK』の名曲など全12曲を歌い、コーラスから男性パートまですべて自身の声で収録。
『エリザベート』などを手掛けるシルヴェスター・リーヴァイ氏作曲の日本初披露曲「セレナーデ」のほか、オリジナル曲「ゆらぎ」など新曲も3曲披露している。
今回は、山崎育三郎さん作詞、城田優さん作曲という豪華なコラボレーションで生まれた「ゆらぎ」の秘話や、10月24日にビルボードライブ大阪で開催される「涼風真世45周年記念ライブ『Anthology 妖~あやかし~』」への想い。さらに45年間、1年も欠かさず舞台に立ち続けてきたなかで感じてきたことを語ってもらった(インタビュー後編、前編はこちら)。
いっくんと優くんとの関係性から生まれた曲
――ニューアルバムに収録されている新曲「ゆらぎ」は、山崎育三郎さんが歌詞を、城田優さんが作曲を手掛けられたオリジナル曲ですが、誕生の経緯を教えてください。
いっくん(山崎)、優くん(城田)とは、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』や『エリザベート』で共演し、いっくんとは『モーツァルト!』『レディ・ベス』でもご一緒しました。なぜかいっくん作詞、優くん作曲の歌を歌いたいと私が願ったのがきっかけで、それが叶った曲です。
――心地よいロック調のポップスで、涼風さんの透明感ある歌声が引き立っていますね。
とても素敵な曲です。歌詞を読んだとき、私が普段使わない言葉が結構あるなと思いました。いっくんの中にいろんな人生があるんだなと思いましたし、優くんのメロディーにも、今まで歌ったことのない旋律が多くて、新しいことにチャレンジできる幸せを感じました。
8月に『演劇人祭2026』(日本演劇協会主催の舞台で、井上芳雄さん、佐藤隆紀さんと東宝ミュージカルナンバーを歌唱)に出演したときも思ったのですが、ミュージカルで共演してきた方々とは、打ち合わせをしなくてもわかりあえる不思議な空気感があります。
いっくん、優くんとも、そうした心地よい距離感と魂の触れあいがあって生まれた曲です。
――城田さんはレコーディングでボーカルディレクションもされたそうですね。
とても細かいアドバイスをたくさんいただき、それがあってこその楽曲です。一度細かく作り上げたものを壊して、もう一度聴いて、もう一度歌って、「これが私の中の完成した『ゆらぎ』なのかな」と思いました。
いまだに揺らいでいますけど(苦笑)、お客様の前で歌ったとき、本当に完成する気がします。リーヴァイさん作曲の「セレナーデ」と、この「ゆらぎ」は、10月24日のビルボードライブ大阪公演が初の歌披露になると思います。
――45周年を記念するライブですが、どのような内容をお考えですか。
今年4月にもビルボードライブ横浜で45周年ライブをさせていただいたのですが、そのときに歌っていない宝塚時代の曲も披露します。きっと楽しんでいただけるのではないでしょうか。大阪の皆さんの前で歌うのを楽しみにしています。
――4年半ぶりに大阪で開催されるライブですね。
大阪は昔、宝塚歌劇団に入団する前に、豊中や吹田に住んでいたことがありました。本当に久しぶりに帰ってくるので、「東京生活が長い、元大阪人」になってしまっているけれど、大阪弁で喋られたらいいな。変なイントネーションになるかもしれないけれど、「みんな楽しんでや~」という感じです(笑)。
宝塚を退団するときに…語った気持ちとは?
――今アルバムの限定盤に付いている「デビュー45周年記念Special Photo Book」の年表を拝見すると、45年間、1年も欠かさず舞台に立ち続けられていますね。そこにはどんな思いや努力があったのでしょうか。
想いは強いです。 大好きな歌を歌っているだけなので、支えてくださっている皆様に心から感謝しています。
――では何よりも「好き」という思いで、ここまでこられたのですね。
そうですね。歌い続けたいという気持ちがあり、宝塚を退団するときも確か「声のお仕事はずっとしていたい」と言ったような気がします。私は直接何かを伝えるより、歌の中に想いと魂を込めるのが好きです。
――これまで数々のステージに立ってこられて、大変な局面もあったと思うのですが、どんな思いで乗り越えられてきたのでしょうか。
いつも「今日一日の涼風真世のベストを尽くそう」と思って舞台に立っています。やはり人間なので、声の調子が悪いとき、体調が悪いときもあると思うんです。でも今日のベストを尽くせば自分でも納得がいくし、お客様に伝わるのではないかと……その思いだけで舞台に立ってきました。
――ずっと舞台に立ち続けたいと思っている人に、「好き」という思い以外に、何か涼風さんからアドバイスがあるとしたら?
そうですね……「女の人は夢を持つこと、男の人はロマンを持つこと」が必要だと私は思っていて。これは35年ほど通っている美容院で、最近ある男性スタッフの方にお伝えした言葉です。
この美容院では新しく入ってきた人がまずシャンプーをして、成長するとひとりでカットやカラーリングもできるようになるんです。
以前シャンプーをしてくれた男の子が、先日ブローを担当してくれたときに、「あ、元気だった?」と声をかけたらすごく喜んでくれたんですね。
そして「僕に何かアドバイスありますか?」と言われて、ふと「女の人は夢を持って生きることが大切だし、男の人はロマンを持って歩いていくのが、すごく素敵だと思うよ」と言ったら、「僕、それいつか使っていいですか!?」と言われたのを、今思い出しました(笑)。
――最近はジェンダーへの意識が高まっていますが、その言葉は夢とロマンの使い分けが素敵で、ナチュラルに響いてきます。
ちょっとした夢でいいんです。推し活をされている方なら「誰々に会いたい」「誰々の曲を聴きたい」とかでもいいと思います。
――今、涼風さんが思い描いている「夢」は何かありますか。
今はビルボードライブ大阪のステージに立つのが一番です。皆さんの前で歌うことが「夢」ですね。いつもつい、セットリストのハードルを高く上げてしまうのですが、乗り越えられない山はないと思って今回も登ります。
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5年ぶりのニューアルバム『Fairy 妖 –Ayakashi–』は10月14日発売。変幻自在の声で、すべてのボーカルを涼風さんひとりで歌唱し、新曲「ゆらぎ」「セレナーデ」「この風の向こうまで」や、「私だけに」「レベッカⅢ」「ピュア・イマジネーション」といったミュージカルナンバーなど、全12曲を収録している。通常盤CD 3300円。
「ゆらぎ」「この風の向こうまで」のミュージックビデオ等を収録したBlu-ray、スペシャルロングインタビュー(全編曲を担当し長年ライブの音楽監督も務めている三枝伸太郎さんとの対談)や撮り下ろし写真、45年間の詳細な年表などをおさめた「デビュー45周年記念Special Photo Book」がセットの初回限定盤は9900円。
10月24日には、ビルボードライブ大阪で「涼風真世45周年記念ライブ『Anthology 妖~あやかし~』」を開催する。
■涼風真世『Fairy 妖 -Ayakashi-』リリース情報:https://www.jvcmusic.co.jp/Linkall/mayosuzukaze/fairy-ayakashi.html
■涼風真世ビルボードライブ大阪公演情報:https://www.billboard-live.com/osaka/show?event_id=ev-21576
■涼風真世Blog: http://ameblo.jp/suzukaze-mayo/
■Label Website: http://jvcmusic.co.jp/suzukaze
■YouTube: https://www.youtube.com/@SuzukazeMayo00