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屋上から落下した下半身麻痺の子猫 水の飲み方がわからずにいると…先輩猫がそっとお手本 今も後ろ足は動かないけど元気いっぱい♪

鶴野 浩己 鶴野 浩己

「落ちてきたねこ雷蔵くん。水たまりの水を飲んでたから、うちに来ても水を飲むのが下手でした」--。

そんなテキストから始まる、子猫が水を飲めるようになるまでの投稿がInstagramで注目を集めました

登場するのは、当時生後1.5か月くらいの黒猫「雷蔵」くん(男の子)です。水を飲もうと器に顔を近づけるものの、飲み方がわからないのか器の淵をずっと舐めています。

そこにやってきたのが、先輩の黒猫「Mr.ブラック」くんです。

「こうやって飲むんだよ」と教えるように目の前で水を飲んで見せる先輩猫。すると雷蔵くんも真似をして器の水を飲み始めました。

生きるために必要なことを教える先輩猫と、それを学ぶ後輩猫の姿に5000件近い「いいね」が集まり、「そうして教わるんですね」「Mr.ブラックくんありがとう」といった声が寄せられています。

屋上から落下し背骨を骨折

投稿者さん(@tetomocomoco)さんによると、雷蔵くんは大学内の図書館の屋上から落下した猫なのだそう。下半身が動かない状態で保護され、保護猫活動を行う投稿者さんが預かることになりました。

「保護した職員さんは、以前から大学にいる野良猫たちのことを気にかけてくれている方でした。雷蔵もすぐに動物病院に連れて行ってくれたのですが、背骨が折れていて、安楽死をすすめられたそうです。自力でおしっこもできない状態で、引き取れる人が誰もいないと連絡をもらいました」

「今夜が山」――。そう言われた雷蔵くんを連れて帰った投稿者さん。下半身が動かない状態で、目を見開いて「シャー!」と威嚇する雷蔵くんに、せめてもの想いでちゅーるを1本あげ、静かな場所で寝かせたそうです。

そして翌朝。雷蔵くんは命をつなぎ、前日よりも力強く威嚇してきました。

「急いで別の動物病院を受診しましたが、まだ体の小さい雷蔵に手術は難しく、自然に骨がつながり、成長していくのを待つしかないという診断でした。ひとまず2泊3日で入院し、その間に圧迫排尿のやり方を教わりました」

骨がくっつくまでの1~2カ月の間は、あまり体を動かさないようにする必要があったため、投稿者さんはいくつもの専用ケージを手づくりしました。

「雷蔵の様子を見て改良を重ねながら、ケージを更新していきました。夫も『トイレを誘発できるかもしれない』と、いろいろなトイレを自作するなど協力してくれました」

毎日の圧迫排尿に加え、排便を促すマッサージなども勉強して、献身的に雷蔵くんをお世話した投稿者さん。1カ月ほどで骨は折れた形のままくっつきましたが、下半身は変わらず動かないままです。でも、ハンデがあっても雷蔵くんは元気いっぱい。動く前脚を使って、おもちゃだって追いかけます。

「動物病院の先生がすすめてくれた鍼とレーザー治療にも通い、ほんの少しずつですが神経系の回復の兆しが見え始めた気がします。圧迫排尿のときに尻尾が上がる、うんちしたいときに尻尾が動くといった小さな兆しですが、何かのきっかけで神経がつながるかもしれないと期待はしています」

なお、投稿で水の飲み方を教えていたMr.ブラックくんは、当時すでにトライアルが決まっていて、雷蔵くんと過ごしたのは1週間ほどだったそう。しかし、雷蔵くんのことをずっと気にかけ、寄り添うように近くにいたそうです。

「猫草も、Mr.ブラックのお手本を見て食べ始めました。お兄ちゃんのような役割を果たしてくれていましたね」

雷蔵くんから広がる変化の輪

雷蔵くんが落下した大学では、この出来事をきっかけに、猫のTNRや餌やりが公式に認められたのだそうです。現在は猫好きの職員や学生が、投稿者さんたちの力を借りながら、できる範囲の活動を始めています。

「雷蔵が、野良猫が不幸に増えていく連鎖を止める一つのきっかけになってくれたと思っています」

雷蔵くんとの出会いは、投稿者さんの家族にも新たな視点を与えてくれたと言います。

「うちにはまだ小さな子どもがいるのですが、雷蔵を迎えるときに夫が、『いろんな猫がいると知ることが、いろんな人がいると理解することにつながるかもしれない。仲良くできるかどうかはこちらの工夫次第だとわかってくれるといいね』と言っていたんです。雷蔵との暮らしを通じて、子どもにも自分との違いを受け入れる気持ちが育ってくれたらと思っています」

動物の介護が、人の介護への柔軟な考えにつながるかもしれない。そんな想いとともに、投稿者さんは雷蔵くんとの1日1日を大切に過ごしています。

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