暑さが落ち着き、秋の気配を感じ始めるこの季節。「夏が終わったから、日焼け止めはもう必要ない」と考えていませんか。医療法人社団鉄結会(東京都渋谷区)が運営する『アイシークリニック』が実施した「残暑の紫外線対策」に関する実態調査によると、約7割が「秋になったら日焼け止めを塗らなくても大丈夫」と考えていることが分かりました。秋の紫外線は実際どの程度なのか、調査結果と皮膚科医の解説から、秋のUVケアを考察します。
調査は、日常的にスキンケアや紫外線対策に関心がある全国の20〜60代男女300人を対象として、2026年9月にインターネットで実施されました。
気象庁のデータによると、9月の紫外線量は6月とほぼ同等レベルと説明されています。UVインデックス(※)で見ると、9月は平均5~7程度。「中程度」から「強い」レベルにあたるといいます。
(※)UVインデックスとは、紫外線が人体に及ぼす影響の度合いを数値化した国際的な指標。一般的に、「0~2」(弱い)、「3~5」(中程度)、「6~7」(強い)、「8~10」(非常に強い)、「11以上」(極端に強い)と分類されます。
しかし、調査では「秋になったら日焼け止めは塗らなくても大丈夫だと思う」とした人が67.3%に達し、9月の紫外線量が6月と同等であることを「知らない」と答えた人が71.3%にのぼることが明らかとなりました。
一方、現在(9月時点)、日焼け止めを「毎日塗っている」とした人は23.7%にとどまり、「ほとんど塗らなくなった」(21.0%)や「まったく塗っていない」(12.0%)など、9月になると、日焼け止めをほぼ使用しなくなる人が3人に1人程度いることが分かりました。
さらに、「紫外線対策を緩める時期」について聞いたところ、「9月中旬」(34.0%)が最多となり、9月以降に日焼け止めの使用を減らす人が約半数にのぼりました。
実際に「秋(9〜11月)に何らかの紫外線ダメージを感じた」と答えた人は58.0%を占め、具体的には「シミの悪化を感じた」(28.3%)が最も多くなっていることから、夏の間に浴びた紫外線による影響に加え、秋になっても紫外線を浴び続けることが、肌への負担につながる可能性がうかがえました。
夏だけではない「光老化」にも注意
紫外線対策を考えるうえで知っておきたいのが「光老化」という言葉です。光老化とは、紫外線の蓄積によって起こる皮膚の老化現象で、シミやシワ、たるみ、肌のハリ低下などにつながるとされており、同クリニックでは、肌の老化の約80%が光老化によるものと説明しています。
また、紫外線には「UVA」と「UVB」があり、特にUVAは雲や窓ガラスを透過するため、曇りの日や室内でも注意が必要だといいます。
同クリニックの髙桑康太医師は、9月について「紫外線対策を緩めてはいけない月の代表格」と説明。
特に、「注意が必要なのは、夏の間に蓄積された紫外線ダメージが秋に表面化するタイミング。夏に浴びた紫外線によって生成されたメラニンが、ターンオーバーによって秋に肌表面に現れ、シミやくすみとして認識されます。この時期に紫外線対策を怠ると、さらなるダメージが上乗せされ、シミの定着や悪化を招きます。そのため、夏の紫外線対策だけでなく、秋になってからも継続して対策することが重要」としています。
秋の日焼け止め、どのくらいの強さを選べばいい?
では、秋はどの程度の日焼け止めを使えばよいのでしょうか。髙桑医師によると、日常生活であれば、「SPF30・PA++以上」を目安に、保湿成分が配合されたタイプを選ぶと、秋の乾燥対策も同時に行えるとしています。
屋外で長時間過ごす場合は、「SPF50・PA++++」を選び、3〜4時間ごとに塗り直すことが推奨されています。
(※)SPFとは、Sun Protection Factorの略で、主にUVB(紫外線B波)を防ぐ効果を示す数値。PAとは、Protection Grade of UVAの略で、UVA(紫外線A波)を防ぐ効果を「+」の数で表し、秋の日常生活ではSPF30・PA++程度が推奨されています。
なお、「シミが急に濃くなった・増えた」「日焼け後の赤みや炎症が長引く」「ほくろの形や色が変化した」といった場合は、自己判断で様子を見るのではなく、皮膚科など医療機関への相談するよう勧めています。
季節別・紫外線量と推奨される日焼け止めの比較