あらゆる仕事がAIに代替されるといわれていますが、実際に仕事が減ってしまったら、あなたなら何をしますか。漫画家・皆生桜子さんはAIの登場により仕事が激減しましたが、これを機にやりたかったことをやろうと農業バイトに挑戦したそうです。
農業バイトでの実体験を描いた作品『AIに仕事をとられて農業デビューした話』をX(旧Twitter)に投稿すると、6800を超えるいいねが集まりました。
作者は美術関係の仕事をしていましたが、AIの出現により仕事が減ってしまいます。そこで作者は生活費を稼ぐために、思い切って以前から興味のあった農業バイトに挑戦することにしました。農業バイトでの初仕事は、桃の収穫作業です。作者は初めての農業バイトを通して、さまざまな発見をしていきます。
まず作者は、傷のないきれいな桃が、とても少ないことに驚きました。桃の収穫作業が終わると、虫食いなどの傷がないか、ひとつひとつ検品していくのですが、贈答用に出荷できる傷のない桃は、ほんの一握りしかないのです。小さな傷があるために出荷対象から外されていく桃を見て、作者は心が痛みました。
暑い時期の農作業は大変です。農業バイト初日、桃の収穫作業は朝6時から始まりましたが、早朝とはいえ屋外で作業をしていると暑く、すぐに喉が渇きます。作者がこまめに水分補給をしていると、作業が半分も終わらないうちに持参したお茶を飲み干してしまいました。作者は何とか水を飲まずに残りの作業を乗り切り、農作業を終えてオーナーさんから渡されたお茶を飲みながら、これまでで一番おいしいと感動しました。
同じように農業バイトをする人との出会いも、作者にとって新鮮なものでした。農業バイト3日目に出会った男性は、来月から2カ月間、北海道に行くと話していました。彼はさまざまな土地で農業バイトをしながら暮らしているようで、作者はそんな生き方があったのかと驚きます。彼の自由で迷いのない生き方に、作者は現代版スナフキンのようだと、あこがれの気持ちを抱くのでした。
読者からは「まさかの展開」「すごいバイタリティ」といった声が寄せられています。そこで同作について、作者の皆生桜子さんに話を聞きました。
農業は生きることの原点に関わる仕事
――農業には、いつごろから興味を持っていたのでしょうか?
桃農家でバイトをしたことのある友人がいて、一度やってみたいと思っていました。人とのやりとりに疲れるときがあるので、自然の中での仕事は精神的にも気持ちがいいのではないかと思っていました。
黙々と作業をしていると無心になれるところや、生きることの原点に関わる仕事というところが、とても魅力的です。
――桃農家でのバイトは、どのように見つけたのですか?
はじめは「農業 求人」で検索しました。すると、「あぐりナビ」や「デイワーク」などの農業の専用サイトが見つかり、そこに仕事がたくさんありました。桃農家もちょうど旬の時期の前だったので、迷うくらいたくさん求人がありました。
――実際に経験して感じた農業の魅力や、やりがいを教えてください。
実際に農業を経験して、自分たちが食べているものがどれだけの手間や時間をかけて作られているのかが分かってきました。見た目がキレイな野菜や果実は、想像をはるかに超えるほどの少なさで選ばれた一握りのものだということもわかり、驚きました。
食べ物を心から大切にしよう、無駄にしないようにしよう、感謝しよう、と心から思えるようになれたことが大きな収穫です。
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