カラオケで歌われる曲といえば、最新のヒットソングを思い浮かべる人も多いはず。しかし、Z世代のカラオケでは、平成にリリースされた楽曲が定番として親しまれているようです。
ReBear合同会社(東京都目黒区)が運営するZ世代特化型マーケティング支援サービス『aZリサーチ』が実施した「カラオケにおける平成ソング選曲の実態・行動意識調査」によると、直近のカラオケで歌った曲の半分以上が「平成ソング」だったZ世代が8割超に上りました。
調査は、全国のZ世代(16〜30歳)100人を対象として、2026年8月にインターネットで実施されました。
まず、「カラオケに行く頻度」を聞いたところ、「月に1回程度」(38%)や「数カ月に1回」(32%)に回答が集まった一方、「週1回以上」(5%)や「ほとんど行かない」(3%)は少数派となりました。
また、「カラオケでよく歌う定番曲」を、43曲の選択肢から選んでもらったところ、1位「マリーゴールド/あいみょん」(平成30年)、2位「Love so sweet/嵐」(平成19年)、3位「チャンカパーナ/NEWS」(平成24年)、4位「イケナイ太陽/ORANGE RANGE」(平成19年)が上位に挙がりました。
特に「Love so sweet」と「イケナイ太陽」は、2007年(平成19年)にリリースされた楽曲。現在のZ世代の多くにとっては、生まれた前後、あるいは物心がつく前の曲にあたります。リリースからおよそ20年が経つ楽曲が、当時をリアルタイムで知らない世代の「持ち歌」として選ばれていることが分かります。
次に、直近のカラオケで歌った曲のうち「平成ソングが占める割合」を聞いたところ、「平成ソングが5割程度」(43%)や「平成ソングが7〜8割」(21%)など、実に8割を超える人が直近のカラオケで半数以上の平成ソングを歌っていることが判明。
さらに、64%が「ここ1〜2年で平成の曲を歌う頻度が増えた」と回答。Z世代のカラオケにおける「平成レトロ」の波は、ますます勢いを増しているようです。
では、当時リアルタイムで体験していない世代が、どうやってこれほど多くの平成ソングを習得しているのでしょうか。
「平成ソングを歌うようになったきっかけ」を聞いたところ、「TikTokで音源・ダンス動画などがバズっていた」と「友人がカラオケで歌うようになった」が、ともに17.8%で最多となりました。
かつてはテレビの歌番組などが過去の楽曲を知る主な入り口のひとつでしたが、現在はSNSや動画プラットフォームを通じて、世代を超えて楽曲に出会いやすくなっているようです。
また、「相手が誰であっても平成ソングを歌えば場の空気が良くなる」と感じる人は70%。世代や関係性を問わず、場の空気を一気に温めてくれる「最強の共通言語」として絶大な信頼を寄せられています。
なお、「歌うけれど普段は聴かない曲がある」とした人が67%に上り、カラオケで歌う曲は、普段の音楽の好みと必ずしも一致するわけではないことが明らかとなりました。
本調査から見えてきたのは、Z世代にとって平成の音楽がもはや単なる「昔の懐メロ」ではなく、「誰と行っても盛り上がれる、世代を超えた共通言語」として自然に機能しているという現実です。
次のカラオケで、隣のボックスからアラサー世代も驚くような完璧な平成ヒット曲が聞こえてきたら、それはZ世代のスマートな「空気作り」のテクニックなのかもしれません。