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部下からの妊娠報告 親切心のつもりでも…言葉を間違えるとマタハラ認定 NGポイントはどこ?【社労士が解説】

長澤 芳子 長澤 芳子

部下の女性社員から妊娠の報告を受けた際、どのように声をかけていいか分からないという人も多いのではないでしょうか。かける言葉を誤ると「マタニティハラスメント(マタハラ)」と指摘されかねません。

たとえば上司が部下の女性社員に対して、「体調が大事だから、無理して働き続けるより、一旦辞めて家庭に専念してもいいんだぞ」なんて言ってしまうと、いくら上司が彼女を心配しての言葉であっても、女性社員からはマタハラだと思われる可能性があります。

では、上司が部下の妊娠報告に対して、どのように振舞うべきなのでしょうか。社会保険労務士法人こころ社労士事務所の香川昌彦さんに聞きました。

無意識の固定観念に注意

ー部下から妊娠の報告を受けた際、上司はどのように対応するのが正解ですか?

妊娠の報告を受けたら「おめでとう」と伝えるとともに、出産予定日や育児休業の希望期間を確認するための声かけが必要です。育児休業給付金や社会保険料免除などの制度を説明し、復帰後にフルタイムか時短勤務のどちらを希望するかなど、本人の意思を聞くことが正解です。

「無理して働かなくていい」などと上司の主観で決めつけるのではなく、「今後どうしたいか」を相手の立場に立って確認することが大切です。

ー良かれと思った親切心からの発言でも、ハラスメントや会社の責任に問われますか?

悪気がなかったとしても、本人の意思に反して退職を促すような発言はマタニティハラスメントと受け取られます。「妊娠したら家庭に入る」といった無意識の固定観念からの言葉掛けはトラブルのもとです。

このような事態が起きると、会社側も配慮不足や指導不足を問われます。事業主には社員へ制度を周知・教育する義務があるため、適切な教育をおこなっていないと会社としての管理責任も厳しく追及されます。

ー採用時や日常業務において、特に注意すべき質問や言動はありますか?

採用面接の際に「結婚の予定はあるか」「子どもを産む予定はあるか」と会社側から質問することは完全なNG行為です。また、日常業務においても「子どもは女性が育てるもの」という前提で接するのではなく、「子育ては夫婦で協力しておこなうもの」という本質を理解しておく必要があります。

無意識の思い込みがあると、何気ない会話の端々に不適切な発言が出てしまうため、根本的な意識のアップデートが不可欠です。

ー無自覚なマタニティハラスメントを防ぐため、企業や上司が取り組むべき具体策は?

単に「言ってはいけない言葉」を暗記するのではなく、国の育児休業制度などを正しく理解することが第一歩です。会社側は「復帰してもらうこと」を前提として話し合いをおこない、時短勤務やフレックス、テレワークといった多様な選択肢を提示できる体制を整えることが求められます。

子どもは社会全体で育てるものという意識を持ち、本人が安心して働き続けられる環境を制度と意識の両面から整えることが重要です。

◆香川昌彦(かがわ・まさひこ) 社会保険労務士/こころ社労士事務所代表 
大阪府茨木市を拠点に、就業規則の整備や評価制度の構築、障害者雇用や同一労働同一賃金への対応などを通じて、労使がともに豊かになる職場づくりを力強くサポート。ネットニュース監修や講演実績も豊富でありながら、SNSでは「#ラーメン社労士」として情報発信をおこない、親しみやすさも兼ね備えた専門家として信頼を得ている。

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