「返信が来ない」が最悪の想像につながる
スマートフォンが普及し、誰とでもいつでも気軽につながれる時代です。その便利さの一方で、「すぐ返事が来るのが当たり前」という感覚に縛られてしまう人も少なくありません。
千葉県在住のDさん(50代)は、相手のLINEの返信が少し遅いだけで、悪い想像が止まらなくなるといいます。
相手は学生時代から付き合いのある友人で、同じ専業主婦。離れた場所に住んでいるため気軽に会うことはできませんが、普段から時間を気にせずLINEを送り、思いついたことをすぐに伝え合う仲でした。そのため、数時間以内には何らかの返信があるのが当たり前になっていたそうです。
ある日の昼過ぎ、Dさんは友人へ何気ないメッセージを送りました。しかし夕方になっても既読がつきません。
最初は「買い物にでも出かけているのだろう」と考えていましたが、時間が経つにつれて不安は膨らんでいきました。
「もしかしたら事故に遭ったのではないだろうか」「どこかで倒れていたらどうしよう」
お互い50代になり、体調を崩す話を耳にする機会も増えたことから、心配は現実味を帯びていったといいます。
心配が募り、電話までかけてしまった
居ても立ってもいられなくなったDさんは、「大丈夫?」と追加でLINEを送りました。
それでも未読のままです。
さらに時間を置いてもう一度メッセージを送り、最後は電話までかけました。しかし呼び出し音が鳴るだけで、友人は出ません。
「本当に何かあったのかもしれない」
そう思ったDさんは、友人の夫に連絡したほうが良いのかとまで考えました。
その様子を見ていた高校生の娘が、「スマホを見られないだけかもしれないよ。半日くらい気づかないこともあるよ」と落ち着かせます。
それでもDさんは、「普段なら必ずすぐ返事をくれる人だから」と、不安を拭いきれませんでした。
その日の夜、ようやく友人から返信が届きました。
「ごめんね。スマホを家に置いたまま映画を見に行って、そのあと夫と夕食を食べに行っていたの」
画面を見た瞬間、Dさんは大きく安堵したそうです。
「いつでも連絡できる」が当たり前になったからこそ
以前は、外出していれば連絡がつかないことは珍しくありませんでした。帰宅するまで様子が分からないことも、ごく普通のことだったはずです。
しかし、スマホを常に持ち歩き、既読か未読かまで確認できるようになったことで、「見られるはずなのに反応がない」という状況が、かえって不安を大きくしてしまうことがあります。
この出来事以来、Dさんは「返信が遅いだけで最悪の事態を考えてしまうのは、『いつでもつながれる』ことに慣れすぎていたからかもしれない」と感じるようになったそうです。
頭ではわかっていても、友人のLINEが長時間未読のままだと、新しい通知がないか何度も画面を確認し 「大丈夫かな?元気ならいいんだけど」と、つい願ってしまう自分がいると苦笑いしていました。