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「もう新人じゃないんだから」 求められるタスク量をこなせない新入社員 「向いていないのかも」とちらつく退職 新卒や転職後に直面する「3カ月の壁」【キャリアカウンセラーが解説】

長澤 芳子 長澤 芳子

念願の第一希望企業に就職したAさん。3カ月の試用期間は周囲のサポートもあり順調でしたが、正社員に切り替わった途端、膨大なタスクと高い目標値を任されるようになりました。

Aさんは、「もう新人じゃないんだから」という周囲の空気を感じ、弱音も吐かずに遅くまで残業しています。それでも仕事の効率は上がらず、残業は減るどころか増える一方です。

ついにAさんは「自分はこの仕事に向いていないのではないか」と退職を考えるようになりました。就職や転職の後に訪れる「3カ月の壁」ともいわれるこの時期を乗り越えるにはどうしたらいいのでしょうか。キャリアカウンセラーの七野綾音さんに話を聞きました。

会社側の受け入れ体制やキャリア設計を見直す余地あり

ー試用期間終了後に、業務負荷が増えるのは一般的なことですか?

試用期間が終わった途端に別人のような成果を求められるというほど急激な変化は、本来望ましくありません。もし極端な業務量の差があるとすれば、会社側の受け入れ体制やキャリア設計を見直す余地があるのかもしれません。

試用期間中は本来、会社が本人の適性を見極めると同時に、本人が業務や職場に慣れていくための期間でもあります。本採用後に求められる業務量とのギャップが大きいと、働く側としては「梯子を外された」ように感じてしまうのも無理はありません。

一方で、試用期間中は周囲が手厚くフォローしていたり、任せる仕事を意識的に絞っていたりすることも多いため、本採用後に少しずつ任される範囲が広がり、段階的に業務が増えていくこと自体は自然な流れともいえます。

ー与えられた業務量がこなせない場合、誰にどのように相談すべきでしょうか?

まずは直属の上司や、話しやすい先輩に相談するのがよいでしょう。もしメンター制度や社内の相談室などがあれば、そちらを活用するのも1つの方法です。

相談するときのポイントは、「つらいです」「もう無理です」と感情だけで終わらせないことです。現在抱えているタスク量や、それぞれの業務にかかる時間や難易度などを整理し、「事実ベース」で伝えるようにしてください。

「今の自分の力量ではここまでしかできないため、業務量を整理しながらサポートしてもらえませんか」と具体的に相談する姿勢を示すことで、上司との良好な関係性を構築していくきっかけにもつながります。

社内で解決が難しい場合は、外部の相談窓口を頼ることも検討してください。

ー「辞めたい」と感じたときに有効なセルフケアを教えてください。

「辞めたい」と思うほど心身が疲弊している場合、無理に今の環境に留まり続けない方がいい場合もあります。会社の産業医や心療内科、メンタルクリニックなど専門家に相談し、心身の状態を客観的に把握することをおすすめします。そのうえで、退職も含めた今後の選択肢を検討していくとよいでしょう。

ただ、感情的に勢いで辞めてしまうと、後々その選択を後悔することになりかねません。

そこで有効なのが、具体的な業務や人間関係など「何がどうして嫌なのか」を紙に書いて可視化することです。頭の中だけで不満や不安をとどめておくとネガティブな感情が膨らんでしまうため、書き出すことはセルフケアとして重要です。

そのうえで、誰かに話を聞いてもらうことも大切です。家族に相談すると、かえって心配をかけまいと本音を抑えてしまう人もいます。そのような場合は、キャリア相談など、フラットに話を聞いてくれる、近すぎない相手を選ぶとよいでしょう。

◆七野綾音(しちの・あやね) キャリアカウンセラー/キャリアコンサルタント
やりがいを実感しながら自分らしく働く大人を増やして、「大人って楽しそう!働くのって面白そう!」と子ども達が思える社会を目指すキャリアカウンセラー/キャリアコンサルタント。

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