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「うちの子に当てはまるかも」“発達障害”のSNS情報に振り回される母親 先生が「年相応ですよ」と言っても……不安は増すばかり【臨床心理士が解説】

長澤 芳子 長澤 芳子

30代女性のAさんは、4歳の息子を育てる母でもあります。ある日、AさんはSNSで流れてきた「発達障害の特徴〇選」という動画を見ます。動画では、「落ち着きがない」「同じ遊びを繰り返す」「こだわりが強い」といった特徴が紹介されていました。これを見ているうちにAさんは、「これ、うちの子にも当てはまるかも…」と気になり始めます。

その後も関連動画や記事を次々と検索して調べると、その不安はより一層大きくなるばかりです。たまらずAさんは保育園の先生に相談すると「年齢相応の姿だと思いますよ」と言われます。しかしAさんは「先生が気付いていないだけかもしれない」と考え、不安が解消されることはありません。

Aさんのような保護者は子どもの行動に対して、どのように考え、向き合えばよいのでしょうか。臨床心理士・公認心理師・保育士の鎌田怜那さんに聞きました。

まず自分と向き合うことが解決の近道

―子どもの個性や発達過程による行動はどのように考えればよいのでしょうか。

子どもの発達には大きな個人差があり、一つひとつの行動だけで発達障害かどうかを判断することはできません。

大切なのは、落ち着きがない、同じ遊びを繰り返す、こだわりが強いといった行動によって本人が困っているか、生活や集団活動に大きな支障が出ているかという視点です。

また、家庭だけで見られるのか、保育園や幼稚園など他の環境でも共通して見られるのかも重要なポイントになります。

「この行動があるから発達障害」と考えるのではなく、「この子はどんなことが得意で、どんな場面で困りやすいのだろう」という視点で見ていくことが大切です。

―保護者が「もしかして」と感じたとき、まずどのような視点で子どもを見守ればよいのでしょうか。

まずは「診断が付くかどうか」を急いで考えるよりも、お子さんの様子を丁寧に観察してみてください。

また、保護者の方には発達障害の情報だけでなく、「一般的な子どもの発達」についても知ってほしいと思います。

保育士から「年齢相応の姿ですよ」と言われても不安が消えないのは、「子どもとは本来どのようなものか」を知らないからです。子どもは思い通りに動かず、手を焼かせ、親をイライラさせる存在でもあります。そうした姿も成長の過程として珍しいものではありません。

さらに、子どもの行動は周囲の環境や関わり方の影響も大きく受けます。親が強い不安やストレスを抱えていると、子どもも不安定な様子を見せることがありますし、子どもが求めている関わり方とずれていることで癇癪などの行動につながることもあります。

実は、子どもに対して難しさを感じたときは、まず、自分と向き合うことが解決の近道だったりします。

診断名はゴールではありません。本当に大切なのは、お子さんが安心して成長できる環境を整え、その子に合った関わり方を見つけることです。

SNSの情報に振り回されるのではなく、目の前にいるお子さん自身を見つめることを大切にしてほしいと思います。

◆ 鎌田 怜那(かまだ・れいな) 臨床心理士/一般社団法人マミリア代表
臨床心理士・公認心理師・保育士・小学校教諭免許を持ち、児童養護施設でのトラウマケア、スクールカウンセラー、精神科クリニック、保健所での発達支援など多岐にわたる現場を経験。自身も3児の母として日々育児に向き合いながら、「知識だけでは乗り越えられない子育ての壁」を痛感してきた経験をもとに、子育て世代に寄り添うカウンセリング・講演・研修を展開。
▽一般社団法人マミリア
https://mamilia.jp/

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