お坊さんになるための修行はとても過酷なものですが、ほっと安らぐひとときもあるようです。漫画家・大賀零さんの作品『本当にきついお坊さんの修行日記』は、お坊さんの食事の裏事情等が描かれたフィクション作品です。同作はX(旧Twitter)に投稿されると、約7200のいいねが寄せられました。
とある真言宗の大学に通う主人公・大護は、お坊さんとなるべく100日間の加行(けぎょう:修行のこと)に参加します。冬におこなわれた修行はとても寒く厳しいもので、唯一の楽しみといえば1日3回の食事でした。
しかし食べる食事といえば、肉や魚が一切使われない精進料理。朝はおかゆとたくあん、昼はうどん、夜は白米とみそ汁、大豆の揚げ物といった形で、大学生の大護にはまったく足りない量でした。
ときにカレーライスが出ることもありましたが、そこはやはり精進料理。肉の代わりに入っているものは、なんとこんにゃくでした。連日ひもじいメニューが続き、身も心もげっそりしてしていた大護は、ふと周りの修行僧を見ると、わりと血色が良いことに気づきます。
そこで血色のいい修行僧に話を聞いてみると、なんと修行僧の間で秘かに伝わる裏メニュー・加行メシなるものがあることを知ります。修行僧は数日に1度食事当番をさせられるのですが、そのときだけこっそり調味料が利用できました。そのため、一見普通のおかゆに見せかけて中にマヨネーズや海苔の佃煮、しょうゆなどを入れ込んでいたのです。
久々に食べたマヨネーズの味に思わず涙をこぼしてしまった大護は、それから食事当番のたびにマヨネーズ盛々のおかゆを作るのでした。
また修行中はカロリーだけではなく、甘味も不足しがちです。そんななか、修行僧の心強い味方がネスレの麦芽飲料『ミロ』でした。基本的に修行中に食べ物の持ち込みは禁止されていますが、ミロは数少ない持ち込みが許可されている食べ物なのです。
ミロの使い方はさまざま。通常通りお湯で溶かして飲むほかに、少量の水で練り固めてチョコレートを作ったり、時間がないときは直接かきこんで食べたりと、一服の清涼剤として愛されていました。
しかし、ミロにはそれ以外の用途もありました。たとえば「写経を手伝ってほしい」と他の修行僧から頼まれたとき「3杯分くらいは欲しいかな~」とミロを一種の通貨にした交渉が繰り広げられているのです。
修行が終盤になるにつれ修行僧たちのミロは枯渇し、やがて争奪戦となっていきます。しかしそんななか、檀家さんからの差し入れでシュークリームなどがやってくると、一気にミロの希少価値は失われるのでした。
読者からは「この食事は厳しい…!」「知らないことばかりで面白かった」などの声が寄せられています。そこで、作者の大賀零さんに話を聞きました。
お坊さんからお話をうかがったことで漫画にすることに
―同作を描いたきっかけについて教えてください
とあるイベントで真言宗のお坊さんと知り合う機会があり、その方にお坊さんになるための方法や修行の内容、生活実態などについて色々興味深いお話をうかがううちに、これらを漫画にして発表したいと思うようになりました。
―お坊さんの知られざる裏側を書くにあたって、意識した部分などはありますか?
お坊さんの間では当たり前と思われているしきたりや習慣も、私たちから見れば特別に見えることは多く、そうした部分は特にクローズアップしたいと思いました。
また一方で、厳しい修行に励むお坊さん達も私たちと変わらないなと思える部分があったりするので、そこにも注目して欲しいと考えていました。
―お坊さんになるための他の修行についても気になる作品でした!
今回取り上げていただいた漫画以外にも、さまざまなお坊さんの修行エピソードをまとめた「本当にきついお坊さんの修行日記」は電子書籍にて各配信サイトで販売中です!
水行・護摩行・大雪の中での御参りなど、厳しい修行の他にも仏教系大学での生活や、どうやったらお坊さんになれるかまで細かく解説していますので興味のある方は是非ご覧になって下さい!
また、現在、ホラーサスペンス漫画「銭甕-ぜにがめ-」を各配信サイトで連載中です!不思議な甕が出てくるお話でお坊さん漫画とは全く異なるジャンルではありますが、こちらもぜひよろしくお願いします!
<大賀零さん関連情報>
▽X(旧Twitter)
https://x.com/scorpionzero2
▽電子書籍『本当にきついお坊さんの修行日記』(Amazon)
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▽電子書籍『銭甕─ぜにがめ─』(Amazon)
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▽『銭甕─ぜにがめ─』連載ページ(コミックシーモア)
https://www.cmoa.jp/title/331811/