「ここに住めば、もう十分では?」
都内でも有数の高級住宅街に建つレジデンスを訪れた際、思わず目を疑うような願い事を見つけたという人がいます。
東京都在住のAさん(50代)は先日、共通の趣味を通じて知り合った知人宅を訪ねました。そのマンションは、一等地にそびえる高級レジデンス。ホテルのようなエントランスや充実した共用施設があり、「こんな場所に住める人は、もう何不自由ないのだろうな」と感じたそうです。
そんなAさんの目に留まったのが、エントランスに飾られていた七夕の笹でした。
住人が自由に願い事を書けるようになっており、たくさんの短冊が風に揺れていました。
思わず二度見した短冊の内容
普通の人にはなかなか手が届かない高級レジデンスです。Aさんは、「そこに住む人たちの願い事は、お金では買えないものばかりだろう」と思いながら短冊を眺めていました。
きっとお金では買えないものばかりでしょう。
「家族が健康で過ごせますように」
「仕事がうまくいきますように」
「第一志望に合格できますように」
そんな願いをみながら、Aさんはある一枚の短冊に思わず目を止めました。
そこには、
「宝くじに当たりますように」
と書かれていたのです。
「思わず心の中で『お金がまだ欲しいの?』と突っ込んでしまいました」
そのレジデンスに住むだけでも相当な経済力が必要だろうと思われます。月額家賃だけでも、多くの人の手取り収入を上回るような水準です。 誰もがうらやむような環境に暮らしながら、さらに宝くじ当選を願う姿がどこか意外だったといいます。
人の欲には終わりがないのかもしれない
もっとも、その短冊を見ているうちに、Aさんの考えは少し変わりました。
家を買えば、もっと広い家が欲しくなる。
収入が増えれば、さらに余裕のある暮らしを望む。
昇進すれば、次の役職を目指したくなる。
外から見れば十分に恵まれているように見えても、本人にとってはそれが当たり前になり、また新しい目標や願いが生まれるのかもしれません。
以前、経営者の知人が「年収が増えても満足することはなかった」と話していたことを思い出したそうです。
人は手に入れた幸せには慣れてしまい、次の「もう少し」を求める生き物なのかもしれません。
豪華なエントランスで見つけた人間らしさ
もちろん、その短冊を書いた人が本当にお金に困っていたわけではないでしょう。毎年の恒例行事として書いただけかもしれませんし、冗談半分だった可能性もあります。
それでもAさんは、その願い事にどこか親近感を覚えたといいます。
「私だって、今より少し収入が増えたらいいなとか、旅行に行きたいなとか考えますからね」
高級レジデンスの住人も、そうでない人も、「もっとこうなったらいいな」と願う気持ちは案外変わらないのかもしれません。
豪華なエントランスで揺れていた「宝くじに当たりますように」の短冊は、人間の欲深さというより、人間らしさを感じさせる一枚でした。