「友達だと思っていたのに、一緒にいるとなんだか疲れる―」
そんな経験はありませんか?
友達(Friend)と敵(Enemy)を組み合わせた言葉「フレネミー」。表面上は仲良く接してくれるものの、言葉や態度で相手を傷つけたり、自信を失わせたりする人を指します。
今回は、T県在住の主婦・Kさんに話を伺いました。
お礼に焼いたクッキーを勧めたら…
Kさんには、幼稚園時代から付き合いのあるママ友がいました。3人組で仲良くしていたAさん、BさんとKさん。ある日、KさんはAさんから子ども服のお下がりをもらったそうです。
「とても助かったので、お礼にクッキーを焼いたんです」
後日、Aさんに渡す予定でクッキーを用意していたKさん。ちょうどその場にいたBさんにも「よかったらBさんもどうぞ」と、お裾分けすることにしました。
ところが、その時返ってきた言葉に思わず戸惑ったといいます。
「えーっ!? Aさんってすごい料理上手なの知ってるよね? 私は自分が作ったクッキーをAさんに渡すなんて無理だわ〜!あ、私はね!」
褒めているようで、なぜか傷つく
一見すると世間話のようにも聞こえる一言。しかしKさんは、その瞬間なんとも言えない気持ちになったそうです。
「別に『まずい』と言われたわけではありません。でも、あくまで「私は」と予防線を張りつつ、気持ちや行動そのものを否定されたような気がしたんです」
思い返してみると、Bさんからは以前にも似たような発言があったといいます。
「可愛い服だね!私ならそんな若い子向けのデザイン手が出せないもん、すごいな〜」
「今日メイクいい感じだね!青いアイシャドウって久しぶりに見たかも!逆に新しくていいよ!」
「(子どもに)水泳習わせてるんだ?うちお金ないから、将来に役立つような習い事じゃないとさせられないかも〜。羨ましい!」
違和感の正体に気づいた
どれも決定的な悪口ではありません。当時のKさんは、「自分が気にしすぎなのかな」と考えていたそうです。ですが、Bさんと会うたびに自信を失ったり、落ち込んだりすることが増えていきました。
「仲良くしているはずなのに、なぜか元気がなくなるんです。ある時、『この人といると精神が削られているかもしれない』と思いました」
そこでKさんは、無理に付き合いを続けることをやめ、少しずつ距離を置くことにしました。
距離を置いて見えてきたこと
すると、小学校進学後になって意外な話が耳に入るようになります。
「Bさん、別のママさんとも揉めたらしいよ」「今度はあっちのグループでトラブルになったみたい」
そんな話を複数の人から聞くようになったのです。
「私だけじゃなかったんだな、と思いました。むしろ、いろんな人が同じような思いをしていたみたいです」。Kさんは当時を振り返ります。
フレネミーは意外と身近にいる
フレネミーの特徴は、あからさまな攻撃をしてこないことです。謙遜しているように見せて巧妙に貶めたり、冗談めかして言ったりするため、言われた側も「気にしすぎかな」と我慢してしまいがちです。
しかし、そうした小さな棘のような言葉は、少しずつ心に積み重なっていきます。だからこそ、「この人と会うと毎回疲れる」「なぜか自信がなくなる」という感覚は、大切なサインなのかもしれません。
今日もどこかでBさんは、誰かのフレネミーをしているのかもしれません。
フレネミーに遭遇したことはありますか?
取材を進めていく中で、いくつかの体験談が寄せられました。
・「昇進が決まったと報告したら、『旦那さん世渡り上手〜!しかも、忙しくなったらワンオペ気味にならない?大丈夫?お給料増えたら女性関係も気をつけなきゃだよね』と言われました。短い間にこんなにも嫌味を入れてくるとは…」(40代女性)
・「ダイエットに成功した時、『すごいね!でも、体が痩せたせいか頭の大きさが目立つようになったかな?』と言われました。頑張ったのに…。すごくモヤモヤしました」(30代女性)
・「子どもの小学校受験の合格を伝えたら、『いつのまに!?そんなに教育ママだったとは知らなかったな〜』と笑顔で返されました。悪気はないのかもしれませんが、その一言は忘れられません」(30代女性)
・「ずっと悩み相談に乗ってくれていた人がいたのですが、後日その内容を別の人が事情を事細かに知っていて驚きました。親身なふりをして情報を集めていたようです」(40代女性)
友達だと思っていた相手だからこそ、何気ない一言は深く心に刺さるもの。もし誰かと会った後に毎回どっと疲れるなら、その違和感は見過ごさないほうがいいのかもしれません。
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