友人などと会話をしていると「今このタイミングで、それをする?」という話が飛び出し、場が気まずい空気になってしまうことがあるでしょう。そんな日常の“ちょっと気まずい瞬間”を描いた、漫画家おたみさんの3作品がSNSで注目を集めています。
1作目『ネックレスを強引に褒めた理由』は、ある日、飲食店で作者と友人が雑談している場面から始まります。友人は突然「ジャラジャラしたネックレスって何歳までつけていいと思う?」と、作者に質問してきました。
友人が、なぜこの質問をこのタイミングで聞いたのか、それには特に深い意味はないのだろうと思いつつも、「ファッションに年齢なんて関係ない!むしろジャラジャラは成功者っぽくてカッコいい!」と力説します。その理由は、作者は隣の席にいる怖そうな雰囲気の男性客が、ジャラジャラとしたネックレスを着けていたからです。
この話がきっかけで隣の男性が怒ってしまわないように「聞こえてないでくれー」と、作者は心の底から願っていました。しかしその後、トイレに行った男性が戻ってくると、ネックレスをTシャツの中にしまっていたのを見て、作者は先ほどの会話が彼に聞こえていたことを悟ります。
2作目『知らない人とのお会計』は、作者が立ち飲み屋で出会った若者の体験談です。
若者は以前、店で仲良くなったおじさんに「奢るよ」と誘われ、一緒に2軒目へ向かったそうです。楽しく飲んでいたものの、会計の瞬間、おじさんは突然ダッシュで店の外へ。これを見て、若者は食い逃げされてしまったと思い「やられたな。いい人そうだったのにな」と、あきらめて会計しようとします。
ところが、おじさんは息を切らして戻ってきて、「財布にお金入ってなくてATM行ってきた」と笑顔で話すのでした。
読者からは、「一言言ってからダッシュしてほしいですよね」「暗証番号も超高速で押したのでしょうね!」など、おじさんの人柄に安心する声が多く寄せられています。
3作目『おじさんが道に座り込んでた理由』では、道端で座り込む男性と作者のやり取りが描かれます。
男性を心配した作者が声をかけると、彼は道端に座り込んでいた理由を語り始めました。
それは男性の家で、妻と娘が豆腐の種類でもめていたときのことです。彼は2人をなだめるために「木綿のことでもめんなよ~」とダジャレを言います。するとその瞬間、家庭内に冷たい空気が流れ、彼は家に居場所がなくなってしまったというのです。
コメント欄には、「もーめんどうだなぁ!で追い打ちをかけよう」「豆腐並みに繊細ですね」など、豆腐にちなんだユーモラスな声も寄せられていました。
同作について、作者のおたみさんに話を聞きました。
会話はリアリティがあるセリフが好き
――3作品の中で、ご自身が特に気に入っている作品はどれでしょうか。
『ネックレスを強引に褒めた理由』が一番、気に入ってます。イカついおじさんの照れや、かわいさの部分が描けたかな、と自分では思っています。
「えっ、そっちが合わせてくれるんだ」と思いました。
――コメント欄では、海外の方による反応も多く見受けられました。そうした反響について、どのように感じていらっしゃいますか。
「わー、世界と近くなったんだな、SNSってすごいな」と感心しています。とてもうれしいです。
それと同時に、僕の描く漫画は細かい心理描写的なものが多いので、そこって訳すとどう伝わってるんだろう、というヒヤヒヤ感が少しあります。(笑)
――会話やテンポを描くうえで、意識されていることがあれば教えてください。
会話はリアリティがあるセリフが好きなので、そこを残しつつ、サッと読んだときに伝わる言葉選びを心掛けています。
テンポにおいては「分かりやすいように」をコマごとに心掛けて、サーッと読めるように意識しています。
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