きらびやかでかわいらしいロリータファッション。特別な自分自身を味わえる反面、さまざまなリスクも付きまとうようです。プードルさんの作品『好きな服で出かけた日のこと』では、ロリータファッションが趣味の作者の実体験が描かれています。同作はX(旧Twitter)に投稿されると、約1.4万いいねを集めました。
ある日、作者はロリータファッションで自宅近くを歩いていました。すると、突然見知らぬ男性にカメラを向けられます。自分の動きに合わせて動画を撮影する男性に、作者は顔だけでも隠したいけれども日傘を持ってないことに焦ります。
また撮影している男性に「盗撮やめてください」とも言えず、知らないところで拡散されたら怖いと作者は声も出すことができません。
撮影されるトラブルを受け、作者は「せっかく楽しい1日だったのに、こんな嫌な思い出で上書きされたくない」と思い、その場から逃げ出しました。ロリータファッションは確かに派手ですが、ただ好きな服を着ているだけなのに、勝手に撮られたくないという作者の切実な願いで物語は締めくくられます。
読者からは「こんなの怖すぎる…」「自分も盗撮されたことあるけど本当にやめてほしい」などさまざまな声が寄せられています。そこで、作者のプードルさんに話を聞きました。
なかには傘で顔を隠してもカメラを向けてくる人も…
―同作を描いたきっかけについて教えてください
実際に自分が体験した出来事をもとに描きました。ロリータファッションは見た目が華やかなため、テーマパークのキャラクターのような感覚で気軽に写真を撮られてしまうことがあります。あるいは、単純に物珍しさからだと思います。
ですが、ロリータを着ている人は特別な存在ではなく、あくまで私服としてファッションを楽しんでいる一般の人間です。知らない人から突然カメラを向けられることに、不快感や恐怖を感じているということを知ってほしいと思い、この漫画を描きました。
また、漫画の中でも描いていますが、実際にその場で「やめてください」と伝えるのはとても難しいです。カメラを向けられている状況では、そのやり取りや自分の反応までも撮影されてしまうかもしれないと感じてしまい、とにかく早くその場を離れることしか考えられませんでした。
今の時代、写真は簡単に共有され、意図しない形で拡散されたり、悪用される可能性もあります。特に電車や自宅の近くなど、生活圏で撮影されることには強い恐怖を感じます。
ファッションを楽しんでいるだけの一般人であるという前提を理解していただき、どうか無断でカメラを向けることはやめてほしい――その思いを伝えたくて、この作品を描きました。
―ロリータファッションで出歩く際は、今回のように撮影されることも多いのでしょうか
かなり頻繁にあります。特に原宿などでは、観光で来ている海外の方に写真を向けられることは珍しくありません。
観光の方の場合は、日本のファッションを旅の思い出として記録したいのだろう、とある程度意図が想像できることもあり、不快ではありつつも理解はできます。実際に「NO!」と伝えると、ほとんどの方はすぐにやめてくれます。
ただ、中にはこちらが嫌がっているにも関わらず撮影を続けたり、日傘で顔を隠しても、わざわざ角度を変えて顔を確認しようとするような行動をとる人もいて、そのようなケースでは強い不安や恐怖を感じます。
―プードルさんは、ご自身の服装を撮影されることについて、どのようにお考えでしょうか?
私個人の意見としては、ロリータファッションはあくまで私服として楽しんでいるものなので、無断で撮影されることには抵抗があります。
一言でも声をかけていただければ、その場でお断りすることもできますし、状況によってはお受けすることもあります。少なくとも、自分の意思を確認していただけるだけで安心感は大きく違います。
ロリータを着ている人の中には、声をかけてもらえれば喜んで撮影に応じる方もいると思いますが、無断で撮影されても構わないと感じている人はほとんどいないのではないかと思います。だからこそ、最低限の配慮として撮影の前に声をかけていただきたいです。
また、普段はもっと楽しい内容の漫画も描いています。ロリータが仕事を頑張るモチベーションになっていることや、欲しい服について悩んだりと、日常の中で感じていることを描くことが多いです。ロリータに限らず、推し活など何かしらの趣味を持っている方から共感の反応をいただくことも多く、とても嬉しく感じています。
ロリータファッションは目を引きやすい装いではありますが、好きなものを楽しんでいるという点では、みんなと同じだと思っています。だからこそ、特別な存在としてではなく、趣味としてファッションを楽しんでいる一般の人間であるということを知っていただけたら嬉しいです。
この作品をきっかけに、無断でカメラを向ける人が少しでも減ってくれたらと思っています。
<プードルさん関連情報>
▽X(旧Twitter)
https://x.com/kumya_poodle
▽本作品も収録した事前通販リンク(BOOTH)はこちら
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