風俗店には激安・格安(スタンダード)、中級、高級とランクが用意されています。値段が高くなるほど全ての質が上がるものの、最近ではリーズナブルな価格でも十分に可愛い女の子が揃っている店舗が散見されます。ひと昔前は激安=年齢層が高く、ルックスに難あり、とんでもない体重の人がいるイメージが強かったのに、業界もずいぶんと変わりました。
あまりに「安かろう悪かろう」だと客離れの原因となるため、多くの激安店は若者キャストを集めるのに必死です。お客は「なぜ、あなたはここにいるの?」、「もっと上を目指せるんじゃない?」と思いますが、実は彼女たちは“敢えてそうしている”のです。
1日ゼロ円を回避できる安定感!「テキトー接客でも指名は返ります」
“激安”といっても金額は、お店によってさまざまです。だいたいのお店がプレイ時間45分で1万円ポッキリ~50分9000円代など1万円以下のコースが用意されており、リーズナブルさを打ち出すお店が“激安”の定義に当てはまるとか。
45分1万円の連続だとほとんど儲からないため、バックも半分から良くて7割程度。お店もキャストも互いに本数勝負となり、数をこなさねば大きな稼ぎには繋がりません。体力勝負となると、働き手の数は限られそうですが……それでも、アキさん(仮名・25歳)は自ら激安店を希望しました。なぜかというと金額が安い分、ひっきりなしにお客が来店するので、お茶引き(1日接客ゼロの通称)が避けられるからです(以下『』内、アキさん談)。
『激安だとサクッと安く遊んで帰りたい人ばかりだから、集客力は強いんですよね。高い店でいつ来るか分からない客を待ってお茶引くくらいなら、1本でも多く本数に付きたい。ウチは最低でも1日3万円は稼げますよ。安定感がデカいのは安心材料です』
アキさんのように、敢えてランクの低いところへ在籍する若手キャストは、「確実な稼ぎを得るため」という理由の人が、かなり多いようです。また、料金が低いとお客の期待値も、あまり高くないのも魅力だとか(笑)
『クソ客には塩対応するし、テキトーにやってもお店も文句言ってこないし。さすがに指名ゼロはマズいけど、当たり前のことをやっているだけでリピートされますからね。“まぁこんなもんだろ”って思ってる客が多くて助かります(笑)』
金額が安いのも、短いスパンで指名が戻ってくるポイント。確かに、スタンダード~中級以上に在籍して厳しいルールの中で働いてストレスを溜めるくらいなら、安定した中でユルくやるのも1つの方法なのでしょう。
客層が悪い!ヒマだと悲惨!僻みもあって気分はラクじゃない
安定性◎、ユルさ◎、そして指名の戻りやすさも◎なら、激安店のメリットがとても多いように思えます。しかし、値段と客層の悪さは比例するもので、毎日必ず多忙だとも限りません。45分の手取りが7000円台だと「ハズすと悲惨ですよ」というアキさんの発言も頷けます。
『たまにすごく暇な日があって、45分×2本で終わっちゃうときもあるんですよ。それで雑費を引かれると、手取り13000円にしかなりません。おまけに基本、客層が悪いので本気のケチで元を取ろうとするヤツ、歯抜け、金払えば何してもいいだろう的なクズも、わんさか来ます。そういうヤツには塩対応かましますけど、精神的に疲れますよね。クソ客×2本で全然稼げなかった日は、メンタルがやられる』
アキさんはスレンダーで若く、スタンダード店でも十分に働けるルックスの持ち主。指名率も悪くなく、お店からはプッシュされているようですが、それはそれで悩みが尽きないようで……。
『ぶっちゃけ激安店って、ブス、デブ、ババアから私みたいな平均的な人まで、バリエーションが広いんですよ(笑)デブスばっかだと、客来ないですからね!……となると、プッシュされるのは平均値以上のコ。ランクが低いキャストは後回しにされるので、暇人からの僻み・妬みもあるから大変です。
待機室で1回“なんでお前ばっかりフリー回してもらえるのか”と、お局ババアに突っかかられました。掲示板で意味もなく叩かれたり、話を捏造されたり、“明らかに書いてるのキャストだろ!”ってこともしょっちゅう。最近は落ち着いたけど、入店してから半年はずっと足を引っ張られていましたよ』
笑いながら「激安は客もオンナも民度が低いので、受け流す能力が必要」と語る彼女のメンタルの強さには脱帽。稼げて安定する半面、環境の悪さは何とも悩ましい限りです。ただ収入と引き換えに代償を支払っていると思うと、多少の“洗礼”はどこにでもあるのかもしれません。
『そうなんですよ。どこにでもデメリットがあるから、どう考えるかが人それぞれって感じじゃないですか。高級に行けば民度は高いかもしれないけど、そのぶん仕事が絶対に大変だし。こんなテキトーに働いていたら即クビになる自信あるもん(笑)まだ体力はあるし、“ぶん回し”で稼げているからしばらく激安に留まろうと思いますね。プッシュされて、稼げるうちが華ですから』
覚悟を決めれば誰でも高収入を得られる時代ではないからこそ、頭を使わねばすぐに埋もれてしまいます。夜職戦国時代と言い表していいほど今やナイトワーカーの数が多いため、空いているイスへ座りに行くことが何よりも大切です。
◆たかなし亜妖(たかなし・あや)
元セクシー女優のシナリオライター・フリーライター。2016年に女優デビュー後、2018年半ばに引退。ゲーム会社のシナリオ担当をしながらライターとしての修業を積み、のちに独立。現在は企画系ライターとしてあらゆるメディアで活躍中。