「要望『猫が入れないキッチンにしたい』」
そんな一言とともに投稿された写真が、SNSで注目を集めています。写っていたのは、格子で囲まれた“独立型キッチン”。和の雰囲気の佇まいに、「蕎麦屋スタイル」「商店街で焼き鳥売ってるお店だww」「料亭……」といった声が寄せられました。
投稿したのは、猫と暮らせる住まいの施工を手がける「ねこ大家」さん(@neko_fudosan)。一見ユーモラスな投稿ですが、その背景には“猫の安全を守りたい”という切実な理由がありました。
子猫を迎える不安から生まれた“独立キッチン”
今回の依頼主は、初めて猫を迎えるご夫妻だったといいます。
「子猫なので、なんにでも興味を持ちます。ご夫婦ともお仕事をされているので、留守中に何かあってはいけないと考えられ、独立キッチンと脱走防止柵を設置しました」
実はこの「独立キッチン」は、ねこ大家さんのもとに寄せられる相談の中でも“とても多い依頼の一つ”だそうです。ガスコンロの火、刃物、ネギ類など、猫にとって危険なアイテムや食材……。キッチンは家庭の中心である一方、猫にとってはリスクも多い空間です。
旅館のような和風デザイン 格子越しのぬくもり
今回の施工で印象的なのは、木製の格子デザイン。お施主さんからは「旅館のような和風イメージ」との希望があったといいます。完成後は、格子からこぼれるやわらかな灯りや、リビングに入った瞬間に漂う木の香りに満足してもらえたとのこと。
SNSでは、「猫様のこの顔…『なんで私が入れないのよ!』って言ってるみたいで最高」「素敵やで」と、格子越しにこちらを見る猫の表情も話題になりました。
「引き戸は開ける」「隙間が…」賢い猫への対策は?
一方で、「うちの猫は引き戸を開けますけど…」「隙間が…まだある」といったコメントも。これについてねこ大家さんは、「引き戸には鍵を設置しています。隙間も猫が通れない幅で計算しています」と説明。猫の身体能力を前提に設計しているといいます。
さらに、猫のストレスにも配慮。完全に遮断するのではなく、カウンター越しにキッチン作業が見える工夫も取り入れています。
「キッチンで作業している姿を見るのも、猫にとってはワクワクの一つ。入れないけれど、見えるようにしています」
“閉じ込める”のではなく、“安全な距離を保つ”。そのバランスが設計のポイントです。
網目タイプも 熱がこもらない工夫
独立キッチンにもバリエーションがあり、熱がこもるのを避けたい場合は「格子を網目にしたタイプ」もあるとのこと。通気性と安全性を両立しながら、住まい全体のデザインにも調和する提案を行っています。
「キッチンには入れない!」徹底が猫を守る
最後に、猫と暮らす家庭へのメッセージとして、ねこ大家さんはこう話します。
「ネギ類は毎日使う食材ですし、調理中に近づいてきて火傷した事例もあります。キッチンには猫は入れない、オープンキッチンなら毎日きれいに掃除する。それを徹底して猫を守ってほしいです」
SNSでは、デザイン性の高さに注目が集まりましたが、その根底にあるのは“事故を未然に防ぐための工夫”。「なんで入れないのよ!」と言いたげな猫の視線も、きっと数年後には笑い話に変わるはず。愛猫の命を守るための一工夫。あなたの家のキッチンは、大丈夫でしょうか。