祖父母とのふとした会話の中で、長い年月を生きてきたからこそ生まれた「その人なりの価値観」に触れることがあります。そんなエピソードを描いた漫画『顔の怖い祖父と甘く煮たリンゴの話』(作:なかざわともさん)が、SNSで注目を集めています。
物語は「私の祖父は92歳、強面、新宿生まれ新宿育ちのおっかないおじいさんである」という祖父の紹介から始まります。作者によると、祖父はお金にシビアで腹黒、さらに毒舌。昔話に出てくる“悪いおじいさん”のような人物でした。
作者が子どもの頃は、部屋で騒いでいるとすぐに叱られたそうです。そして、毎年正月には祖父母の家で、ずらりと並んだ孫たちが一人ずつ今年の抱負を述べてから祖父にお年玉をもらうのが恒例でした。その様子を見て、作者は内心「マフィアみたいだ」と思っていたのだそうです。
そんな祖父も数年前、喉の病気を患いました。痩せていき、かつての威圧感は少しずつ弱まってきたといいます。
そんなある日、以前に祖父が「りんご煮たやつ好きなんだよ」と話していたことを思い出し、作者がりんごのコンポートを作ったときのことです。美味しそうなコンポートを見た祖父は、怖い顔を少しほころばせました。
モグモグと食べながら祖父は「俺ぁ、りんごは煮たやつが好きなんだ。固いのは美味くねぇやな」と言います。作者が「私は生のりんごも好きだけどなぁ」と返すと、祖父は当たり前のように「まぁ女の子はみんな好きだろ、りんご」と言うのでした。
その言葉に、作者は思わず「女の子...」と驚きます。強面で厳しい印象の祖父が、「りんご=女の子の好きな食べ物」というどこか可愛らしいイメージを持っていたことが、あまりにも意外だったからです。
コンポートを完食し、「ん?」と強面でギョロリと見てくる祖父に、「なんでもなーい」「また作るよ」と返した作者でしたが、いつか祖父の意外な一面をさらに知ることができればと考えるのでした。
読者からは「素晴らしい作品。このおじいちゃんの話が好きです」や「江戸っ子気質の良いじいちゃんですね」など、多くの声があがっています。
そんな同作について、作者のなかざわともさんに話を聞きました。
まだまだ祖父の知らない一面があると思う
―同作を描こうと思われたきっかけがあれば教えてください。
祖父の意外性が面白いと思って漫画にしました。まだまだ祖父の知らない一面があるんだと思います。
―他にも、祖父との思い出の中で、特に印象に残っているエピソードがありますか?
いろいろありますが、今後漫画にしていきたいと思います!
―現在は他にどのような作品を制作されていますか?
まだあまりテーマが決まっているわけではありませんが、身の回りの出来事をよく観察して作品にしていきたいです。
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