知らない番号から電話がかかってくると、身構えてしまうという方は多いでしょう。特に最近は巧妙な詐欺電話のニュースを耳にすることも多く、少しでも怪しいと感じたら警戒してしまうのが、現代の防衛本能といえるでしょう。幸せまつ子さんが描いた作品『詐欺電話』は、そんな警戒心が引き起こした、笑えるけれど少し切ない出来事を描いています。
物語は、作者のスマートフォンに「知らない番号」から着信があった場面から始まります。非通知や海外からの番号ではなかったため、思い切って電話に出てみました。すると、相手はいきなり「お名前伺ってもいいですか?」と唐突な質問を投げかけてきます。
不審に思った作者は、毅然とした態度で「あなたこそどなたですか?」と逆質問します。すると相手は言葉を濁しながらも、「まつ子さんの携帯ですよね?」と、名前を言い当ててきたのです。
作者は動揺を隠しながら「違います」とあえて違う人物を装います。しかし、相手はさらに彼女の「旧姓」までも言い当ててきました。個人情報が流出している恐怖を感じ、再度「どちら様ですか!」と問い詰めますが、相手はなかなか名乗りません。
一触即発の緊張感が走る中、相手からようやく出た言葉は「ホットペッパービューティーで美容院の予約をされてますよね…?」という意外なものでした。なんと電話の主は、来週行くはずだった「いつもの美容院」だったのです。
詐欺という疑いは晴れましたが、問題はここからです。すでに本人ではないと断言してしまった手前、今さら本人だとは言い出しにくい絶妙な空気感になってしまったのです。追い詰められた作者は、咄嗟に「……あ、姉です」と苦しい嘘をついてしまいました。
その様子をそばで見ていた作者の夫は、あまりに不自然なやり取りに不思議そうな顔をしていたといいます。いまだに「あの時、どう答えるのが正解だったのか」と思い返しては頭を抱える作者でした。
同作について、作者の幸せまつ子さんに詳しく話を聞きました。
パニックで誕生した「架空の姉」
ー最初に電話を取ったとき、どの時点で「怪しい」と感じましたか?
「お名前を伺ってもいいですか?」で警戒レベルMAXになりました。
ー咄嗟の判断だったと思うのですが、「姉」を装う案はすぐに浮かんだのでしょうか?
パニックになってしまい、「姉」しか頭に浮かびませんでした(笑)ちなみに私は弟しかいないので、姉がどんなものかわからず、かなり変な小芝居をしてしまいました。他にどんな乗りきり方があったのか、今考えてもいい対処法が浮かびません…。
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