手紙など封する際に用いる「〆」。
今、SNS上ではそんな〆の必要性が大きな話題になっている。
「母から封筒が届きました。裏を見て毎回笑ってしまうのですが、昔の人がやるこの〆に一旦何の意味と効力があるのか誰か教えて欲しいです。」
と紹介したのはソロギタリストのMIYUさん(@MIYU_726)。
たしかにこっそり中身を見てバレないように細工しようとしたら、いくら〆を書いていてもできてしまう。他に親書の秘密を守る術がなかった時代ならともかく、今も用い続けることにどれだけの意味があるのかは不明だ。
MIYUさんにお話を聞いた。
--お母さまのお人柄は?
MIYU:マダムの雰囲気を持ったおっとりな天然。忘れ物や失敗をよくするが大体のことは笑って忘れるポジティブ思考な人です。
--いつもこの〆をご覧になる感想を。
MIYU:重要なこともしょっちゅう忘れるド天然なのに、小さな封筒でも角2封筒であっても、〆字だけは絶対に書き忘れない事に「なぜ?そこだけ笑」と、感心しています。ですが、母の〆字は「メ」であって、微妙に間違っているのではないかと今も半分疑っています(笑)。
--投稿に大きな反響がありました。
MIYU:素朴な疑問のポストに対して想像を上回る数のお返事をいただきました。現役の郵便関係の方からのご回答をいただけたことや、日本だけでなく中世ヨーロッパの時代の手紙のやり取りの文化など知らない事をたくさん知れたことは純粋にうれしくありがたかったです。
また、防犯上の効力という部分においては、正しく認識できたことと、私同様、疑問に思っていらっしゃった方が一定数おられたことを知れたのも投稿して良かったところです。
ただ、一部「母のことを笑っちゃう」と表現したことで〆を使っている人をバカにして笑っているように受け止めた方から「親の顔が見てみたい、非常識娘」などご批判もいただいてしまいました。そのように勘違いされてしまった方には、全くその意図はないことをあらためてお伝えし、誤解を与えてしまったことに関しては謝罪したいです。
母の〆字が正解なのか調査するためのポストでしたが、結果的に、一生の親子の思い出となりました。今度、母にこの事を直接伝えてあげたいです。大笑いすると思います(笑)。
◇ ◇
SNSユーザー達から
「中世から続く手紙の作法ですね。その頃「五大力菩薩」なんて略字を書いて封緘したのは、神仏の力で相手先に無事に届くようにというまじないだったようです。」
「一日に郵便物を10通くらい出す仕事していた時、漏れがないようにダブルチェックするんだけど、2回目全部OKなら封して〆してた。すると触らなくても封してるのがわかって、無駄に3回目やらなくて済む。郵便回収時間との戦いなので手に取る5秒も惜しいのだ。」
「切手をここに貼って消印押せばかなり綿密な封緘になるね」
など数々のコメントが寄せられた今回の投稿。実際の効果はほとんど失われてしまった〆だが先人たちが込めた思いには熱い思いを感じる。
MIYUさんプロフィール
大阪出身、東京で活動中の女性ソロギタリスト。ハードロックをベースに王道メタル~オートチューンまで独特の世界を構築。ヤングギターDVD出演、お笑いコンビ『さらば青春の光』や人気ボカロP”yksb”など幅広く、さまざまなアーティストのサポート、レコーディングを務める。
プロフィールURL:https://lit.link/miyusensei
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