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水槽をさまよう小さなフグ「この世界に慣れてない感」のある動きが可愛い「バイト初日のワイ」自身に重ねる人続出

行橋 友 行橋 友

「『この世界に慣れてない感』すきだ🐡」

こんな言葉とともにポストされた動画には、小さな魚が横切っていくエビを不思議そうに二度見する愛らしい光景が捉えられています。

投稿主は海洋生物の採集などを行い、書籍も執筆されている「でんか@『海のあかちゃん』『ヤドカリ探索図鑑』」(@K_theHermit)さん。

そんな海の生き物を知り尽くしたでんかさんによると、この小さな魚はハコフグ科の海水魚「コンゴウフグ」の幼魚とのことです。

少し不安げな表情を見せながら水槽をさまようコンゴウフグの行動に、様々な反応が見られました。 

「ぎょどっている」
「こんなかわいすぎる生き物がいる世界は素晴らしい…」
「バイト初日のワイの挙動や!!」
「この世界で初めて出会う 色々な出来事に ワタワタ꜀(.ω. ꜆)꜄している感じが可愛いですね。」

新しい環境に身を置くと周りをキョロキョロしてしまうのは我々人間にも通じるところがあり、親近感が湧いてくる人も現れました。慣れない環境に緊張するのは生き物だとみな同じであることがよくわかります。 

途中でカットインしたエビとは仲良くなることができたのかも含めて、水槽の雰囲気に馴染むことができたか気になるところ。その後のお話やコンゴウフグの生態や特徴、飼育をする中で苦労することなどについて、でんかさんに詳しいお話を伺いました。

ーー「コンゴウフグ」という魚の幼魚とのことですが、特徴は?

「折り紙の紙風船のような立体感のある体で、小さなヒレをパタパタさせて泳ぐのが特徴の魚です。ハコフグに似ていますが、おとなになるにつれて頭から長い角が二本生えてきます」

ーーこの幼魚はでんかさんがご自身で採集されたのでしょうか?

「私は磯遊びで生物を採集するのが趣味で、このコンゴウフグの幼魚も関西の磯で海藻と一緒に流れるように泳いでいるところを採集しました。幼魚はたまに見かけるのですが、成体は本州の浅瀬ではほとんど見たことがないです」

ーー動画の中で横切るエビを見送る場面も撮影されていますが、水槽の雰囲気にも慣れてきたのでしょうか?

「水槽自体には慣れていたと思いますが、お掃除要因として入れているエビは近くに来るたびに見ているようでした。警戒したり食べられないかどうかを確認するためだと思います」

ーーコンゴウフグは飼育が難しい魚だそうですね?

「皮膚に粘液性の弱毒があり、強いストレスを受けると放出すると言われています。自分の毒で海水を汚して死なせてしまわないように、水換えの時などは気を使います」

ーーでんかさんが今までに出会った海の生物のうち、最も印象に残っている生物は?

「カラフルなアオウミウシやもふもふしたケブカガニ、可愛らしくもおもしろい生態のメガネカラッパ、たくさんの生物に出会ってきましたが、最も印象に残っているのはベニホンヤドカリです。私は北海道出身なのですが、本州の海にはこんなに鮮やかな生物がいるのかと初めて見た時は驚きました。その衝撃からヤドカリにのめりこみ図鑑など出版しています」

でんかさんがお話してくださった通り、繊細な魚だというコンゴウフグ。水中でも我々が日々生きる世界とあまり変わらない光景がコンゴウフグからは見えているのかもしれませんね。

でんかさんは「『海のあかちゃん』という写真集をこの夏に出版しました。指先にのるような、大人になっても手のひらにのるくらいの海の生物を掲載していて、このコンゴウフグも載っています。

写真だけでなく、QRコードが載っている生物は、スマホで読み込んだら私のYouTubeチャンネルの動画へとんで動いているところも見られるようになっています。書籍の他にも、シールやクリアファイルなど日常で使えるグッズを作っているので、ぜひ覗いてみてください」と話してくれました。

でんかさんが出版した写真集「海のあかちゃん」

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