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「おもてなし」のコーヒー→「出されたら飲みなさい」と先輩から言われて…… 「苦手なのに」「ムリして飲んでる」本当に大切なマナーとは?

山陰中央新報社 山陰中央新報社

 ビジネスの場やよその家を訪問時に、コーヒーや煎茶を出されることが多い。カフェインの入った飲料を提供し、リラックスしてほしいという「おもてなし」の気持ちはありがたいが、カフェインが体質的に合わなかったり、営業回りで摂取が続く人には、むげに断れず悩ましいかも。マナー上、どうすれば失礼に当たらないだろうか。

 「ブラックコーヒーは苦手だったが、無理して飲んでいた」と、ビジネスマナー講師などを務めるキャリアコンサルタントの福島麻未さん=島根県在住=が振り返る。

 かつて営業職を経験した時期は、訪問先で1日3、4杯のコーヒーを飲むことが当たり前だった。同行する先輩社員からも「出された飲み物は残さず飲みなさい」と教わった。「我慢して飲む人はいるのではないか」とみる。

 福島さんは、コーヒーや煎茶を出すことは「リラックスして話をしてほしい」という、もてなしの気持ちから来ているといい、飲めない場合でも「ご用意いただきありがとうございます」と、まずは感謝を伝えることが大切だと指摘。

 その上で「先にお伝えしておけば良かったのですが…」と前置きし、体調などの事情で飲めないことを伝えると良いという。とりわけ、今後も付き合いが続く相手なら、安定した関係を築く上でも、初回に伝えることが大事という。同行する先輩や同僚にも事情を伝えておくと安心だ。

 「正直に伝えることは悪いことではないし、相手の印象にも残り、関係づくりの上ではプラスになり得る」と話す。

 訪問者を迎える側も「出す前に尋ねる」「選択肢を提示する」といった配慮の必要性を指摘。「断るタイミングがあれば言い出しやすく、結果的に飲み物の廃棄も減らせる。気遣う気持ちも伝えられる」と良い面を挙げる。

 福島さんは、コーヒーが続いた後に訪ねたある企業で「コーヒーが続いているんじゃない?」と、別のノンカフェイン飲料を出してもらったことが強く印象に残っているという。コーヒーを出せばおもてなしになるのではなく、「訪問者とのコミュニケーションを図ろうとすることが大切ではないか」と強調する。

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