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夏の日、鉄くずの隙間で鳴いていた子猫 別の子をここで保護したばかり「ひょっとして兄弟?」…再びめぐり逢った“奇跡の命”

梨木 香奈 梨木 香奈

茶白の「キナコ」くん(推定5歳・男の子)との出会いは、まさに運命的なものでした。5年前の猛暑日、Xユーザー・mmmさん(@ycqolixhtBVYHfF)は、前月に茶トラの「ツナ」くん(推定5歳・男の子)を保護した場所で、子猫が廃材の隙間に入っていくところを目にしたのです。

「ツナくんを保護した場所とほぼ同じ敷地内でした。鉄の廃材の中から、かすかに子猫の鳴き声が聞こえてきたんです。耳を澄ませながら探すとひょっこり出てきました。それが、生後推定2カ月ほどだったキナコとの出会いです」

キナコくんは、飼い主さんを見て激しく鳴き始めました。その姿を目にした飼い主さんは、ふとあることが頭に浮かんだそうでーー。

「もしかして、ツナの兄弟かもしれない。ツナに会いたいと訴えているように感じられたんです。ほうっておくことはできないと思い、保護しました。何より、もしふたりが兄弟なら、会わせてあげたいと思ったんです」

同じエリアで2カ月続けて子猫を保護した飼い主さん。先に保護したツナくんは茶トラ、キナコくんは茶白の被毛を持っていて、ふたりとも生後推定2カ月。どことなく面影に通じるものもありました。「兄弟かもしれない」と飼い主さんが直感したのも不思議ではなかったのです。

先住猫と打ち解けながら 偏食に悩んだ日々

ツナくんは保護当時、ひどい猫風邪をひいていたため、しばらくのあいだケージで暮らしていました。一方、家に迎え入れられたキナコくんはーー

「キナコはケージから出たくて一晩中暴れるほど活発な子でした。すぐにツナと仲良くなり、一緒に遊び、一緒に寝て…まるで『もう離れない』と心に決めたかのように、ずっと寄り添って過ごすようになったんです」

初対面とは思えないふたりの仲睦まじい様子は、まさに本当の兄弟を思わせるものでした。初日からすっかり家での暮らしになじんで夜を過ごし、翌朝を迎えました。

「早速、キナコを連れて動物病院へ行きました。検査結果は大きな問題なし。ホッと胸をなでおろしましたが、下痢が続いていました。また、キナコはドライフードをあまり食べなかったんです。苦肉の策として、栄養を摂取してもらうために液状のおやつを与えてみるなど、試行錯誤したのを覚えています。同時に、外にいたときは何を食べていたのだろうとーーゴミ箱をあさったり、人間の食べ物を食べようとしたりするので戸惑いました」

満足に食事を摂らないことから体重がどんどん減っていきました。また、突然片足を引きずって歩くようになったことも。飼い主さんはあわててキナコくんを連れて病院へ駆け込みましたが、はっきりとした原因はわからなかったといいます。

「何かと心配が絶えなかったですね。今でも偏食で少食ですが、体調に問題はなく、元気に過ごしてくれているのでホッとしています」

家での暮らしは、環境だけでなく食生活なども大きく変わるため、小さな猫の体に及ぶ影響は計り知れません。飼い主さんが根気よくキナコくんを見守り、異変があれば適切に対処したため、少しずつ生活に慣れていくことができたようです。

アピール上手な成猫にーーかわいすぎる甘え方とは

キナコくんを迎えて今年で5年。やんちゃでいたずらが大好き、天真爛漫なキナコくんは、家庭をよりいっそうにぎやかで明るくしているようです。

「我が家には、ツナのほかにアメリカンショートヘアのコメとパンも暮らしています。キナコは先住猫たちにも臆することなく、何かとちょっかいを出していますね。とても元気で、自己主張も上手な子だと思います」

また、キナコくんは飼い主さんのことも、飼い主さんに甘えることも大好き。ちょっとユニークな甘え方をするようでーー。

「すきあらば、飼い主の背中にぴょんと飛び乗るんです。“おんぶ大好きっ子”。やきもち焼きで、独占欲が強いところも魅力のひとつですね」

今も、キナコくんとツナくんは一緒に遊び、疲れるとくっ付いて眠るほど仲が良いそうです。

「助けを求めてくる猫との出会いは、生きていて何度もあることではないもの。だからこそ『出会ってくれてありがとう。選んでくれてありがとう』と、愛しくてたまらなくなります。5年経った今もその気持ちは変わりません。キナコにはこの家を選んで良かったと思ってもらいたい。その気持ちが頑張る力になると感じています」

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