手の上に載せられた数鉢の豆盆栽のいきいきとした美しさがたくさんの人の心をとらえました。
「ほとんどが、タネが勝手に飛び込んで来たり、
うちで半野生化した草たちを使った豆盆栽。
こんな遊びに丸一日を費やせる人間で、ごめんなさい」
そんなひと言とともに「X」に投稿された四鉢の豆盆栽の写真には、記事執筆時点で「3.1万件」もの「いいね」がついています。
「小さな種でも、良い所、良い環境に落ちたら、良い花を咲かせ、人を喜ばせることができるんですね」
「素晴らしい時間の使い方をされる方を見かけることができて嬉しいです」
「素晴らしいです。小さな小さな花を見つけて、感動して、摘んで帰りたくなる事があるのですが、鉢で育てると良い事がわかりました。素晴らしい世界を教えてくださって、ありがとうございました。」
見事な手わざに魅了された人たちからの声が届きました。
写真を投稿したのは「善福寺まこと」(@macotisima)さん(以下、善福寺さん)です。30歳頃から盆栽を始めたという善福寺さんは、手のひらにいくつも載るほど小さな鉢に草木を植えていく「豆盆栽」を手がけつつ「盆栽鉢作り」もおこなう、「豆盆栽・豆盆栽鉢作家」です。以前も「ヒメウツギ」の豆盆栽の動画が話題になった事があり、「まいどなニュース」でもご紹介しました。
善福寺さんに、今回話題になった四鉢の豆盆栽についてお聞きしました。
素朴な姿から美を切り取るよろこび
――植わっている植物の名まえを教えてください。
手のひらの上の鉢から順に時計まわりで、
・手の平のもの「タイトゴメ、日高ミセバヤ」
・親指と人差し指の間のもの「ヒメタデ」
・人差し指と中指の間のもの「屋久島ショタイソウ、コケオトギリソウ、ツメクサ」
・中指と薬指の間のもの「エノコログサ(俗称:ねこじゃらし)」となります。
――この「半野生化した草たち」の豆盆栽をつくろうと思ったきっかけは。
庭の盆栽置き場には、私の関知しないところで勝手に生まれ、強く美しく育っている小さな草たちがいます。私は、そんな草の素朴な姿から洗練された美を切り取ることがとても好きなので、見つけると時期を見計らって鉢に上げます。
――いまだ気づかれぬ美をすくい上げるのですね。
今回の投稿で使った草も、先住民がいる鉢にあとから割り込んできたり、放置された鉢のわずかに残った土に勝手に生えてきたりしたものです。そんな草たちを、形や色合いなど、その魅力を引き出せるようにと見繕った鉢に入れたのが今回投稿の豆盆栽です。
極小豆盆栽の魅力
大きく写真が拡散した今回の四鉢のできばえについて、善福寺さんは「豆盆栽の小ささと、にもかかわらずその存在感を際立たせるのには、人間の手が一番だと思っています。そして、豆盆栽は、小さくとも単体で見ていただきたいのはもちろんですが、いくつか集まると、足し算ではなく掛け算的に魅力が増す法則があります。今回の写真は、その二つの要素がうまくまとまり、極小豆盆栽の魅力をよく伝えるものになったのではないかと、投稿への反応を見て感じました」としています。
【善福寺まことさん情報まとめ】
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