岡山駅に「例のポスター」再び J1ファジアーノ・ブローダーセン選手の再現度の高さが評判「かなり振り切ってきたな」

山陽新聞社 山陽新聞社

 JR岡山駅構内に駅員がサッカーJ1ファジアーノ岡山をオマージュした「例のポスター」の後半戦バージョンが掲出され、SNSで『かなり振り切ってきた』と注目を集めている。「例のポスター」とは、守護神GKブローダーセン選手や司令塔のMF江坂任選手らを配したファジアーノの公式PRポスターを、駅員が選手役になりきり、そっくりにまねたポスターのこと。2月に張り出すと、特にブローダーセン選手の再現度の高さが評判となり、一度見たら忘れられないインパクトがあるとSNSを中心に話題を呼んだ。8月下旬から差し替わった後半戦バージョンも、オリジナル同様、駅員の表情もさらに気合が入り「かなり振り切ってきたな」「前半戦ポスターよりも照れがなくなった岡山駅」などと絶賛されている。

 ポスターは企画から制作まで全て、JR岡山駅で働く有志が手がけている。J2時代よりファジアーノを盛り上げていく目的で結成された、通称「ファジアーノ盛り上げ隊」で、20~30代の若手社員を中心に20人ほどが関わる。初のJ1昇格で高揚する街の空気感と岡山駅のファジアーノを応援する熱量を何か形にしようと考えていた2月、ファジアーノから公式PRポスターが届き、ひらめいたという。「初のJ1に臨む緊張感に満ちた表情の選手たち。私たちも同じような気持ちで一緒にシーズンに向かうことをポスターに表現しよう」

■ ブローダーセン選手役は彼に

 オマージュの要となるのはブローダーセン選手役。「まずもって岡山駅には適任な人物がいる」と、あるメンバーは入社同期で仲の良い山本裕太郎さんを推薦。「地域貢献になるなら」と二つ返事で引き受けてくれた。オリジナルのキャッチフレーズは「この街と挑む。OKAYAMA」であるのに対し、オマージュポスターは「岡山駅も挑む。STATION」。普段は改札業務だったり、信号設備を担当したり、岡山駅を支える各ポジションから若手中心に起用した。撮影では選手ごとのポーズや表情を細かく指示して撮り直すなどこだわり、ポスターのデザインも無料ソフトを使い再現した。

 完成した2月末に駅構内2カ所に張り出すと、写真とともに「通勤中に声出して笑ってしまった。隣歩いてた人ごめんなさい。でもこんなん笑うしかないわ、不意打ちすぎる」と投稿されるなど、徐々にX上で報告されるようになり、いつしか「例のポスター」と呼ばれるようになった。

 ブローダーセン選手役の山本さんは困っている駅利用者を手助けする接客が主な業務。それだけに「ポスターの方ですよね」と声をかけられることも増えてきた。「新型コロナウイルス禍で利用者が減った時期はとてもつらかった。ファジアーノがJ1に昇格してくれたおかげで、多くのサポーターの方々が岡山駅を利用してくださるようになり、こうやってポスターを楽しんでいただけることはありがたいです」と話す。

■ 後半戦ポスター 公式投稿4分後に期待の声

 そして8月1日。午前11時46分にファジアーノが公式Xで「後半戦のポスターが完成」と投稿すると、4分後には「またJR岡山駅の皆さんが同じ構図で駅員ポスターを作ってくれるはず!と期待しています」と岡山駅バージョンを待望する反応が上がった。盛り上げ隊は当初、後半戦ポスターを想定していなかったが、急きょ制作することにした。

 後半戦の中心はブローダーセン選手。まず打診を受けた〝岡山駅のブローダーセン〟こと山本さんは「心の準備はしていた」。今回、他の出演者は現役駅長と元駅長計4人を含む65歳前後のベテランを起用。「この街と挑む。」のキャッチコピーは「シニアも挑む。」とし、さらに「世代を超えて、力をひとつに。」と加えた。オリジナルポスターはプレー中の白熱した状況の写真を使っているため、表情とポーズの再現は困難を極めた。しかしそこはベテランならではの深みのある表現力で対応、唯一40代の山本さんも、キーパーグローブの代わりに新幹線業務担当者が着用する手袋をはめ、迫真の表情で期待に応えた。

 木村太哉選手役を担当した竹本有喜・岡山駅長は「シニア世代は野球に熱くなった人が多い世代だが、ファジアーノにも関心を持ってもらおうとの意味も込めました」と話す。張り出すと、さっそくX上には面白がるコメントであふれた。

・岡山駅のポスター 今回もおもしろい みんなで応援している感がいいねー

・岡山駅の駅員によるパロディポスターはいつもサイコー

・岡山駅のポスターまた新たにできたのか お見事です

・モデルさん達の表情にプロ意識が そして今回もキャッチコピーが秀逸

・ファジアーノ岡山さんのパロディも毎回面白くて岡山駅(長)さん最高です!

・JR岡山駅の駅員さんたち最高すぎる…こちらのポスターも欲しい 拝みに参ります…

 

■ ブローダーセン選手役の志願者多数

 岡山駅によると、構内のオマージュポスターを見るため、わざわざ入場券を購入する人もいるほど、サポーターにとって名所の一つになった。早くも来年以降のポスターの期待も高まりつつあり、盛り上げ隊は「サッカーに興味のなかった人にもポスターがきっかけでファジアーノに関心を寄せてもらえれば」とする。

 最初のポスター掲示以降、岡山駅にはブローダーセン選手役の志願者が何人もいるとのこと。山本さんは「小学校の3年間だけサッカーをしていたことはあったが、まさか大人になり、こんな大役を務めるとは」と打ち明ける。「来年もブローダーセン選手役ができるよう、残りの試合もファジアーノを全力で応援したい」と語る。

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