島根県松江市ゆかりの明治の文豪ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)と、妻・セツを登場人物のモデルにしたNHK連続テレビ小説「ばけばけ」の放送開始に合わせ、市内では多様な八雲関係の商品が販売中だ。八雲の好物を再現した焼き菓子など、多彩な視点で工夫を凝らしている。
夫婦の姿マグカップに
松江市末次本町のくらしの器森脇はマグカップ「小泉セツとラフカディオ・ハーン」を500個製作。ロゴマークと小泉夫婦の写真をあしらい、1個2200円で販売している。店主の森脇宏さん(80)は「松江を訪れる人たちに商品を通じて八雲の功績を知ってほしい」と話す。
「雪女」の琥珀糖
松江市寺町の和菓子店三英堂は怪談「雪女」から着想を得た琥珀(こはく)糖「雪女のおやつ」を売り出した。青く透き通る琥珀糖を氷に見立て、雪女をイメージ。地元の出西生姜(しょうが)を使って仕上げた。同封するしおりには、雪女が寝転びながら菓子に手を伸ばす様子が印刷されているほか、雪女視点で再構成した怪談「雪女」も掲載した。1個864円。岡英介代表取締役は「ストーリー性のある和菓子をゆっくり楽しんでほしい」と述べた。
好物の焼き菓子再現
松江市殿町のホテル・サンラポーむらくもと社会福祉法人桑友(同市天神町)は、八雲の好物で英国の伝統的な焼き菓子プラム・プディングを販売した。セツの著作「思ひ出の記」で八雲の好物だと記述がある。レーズンやドライフルーツがたっぷり入り、ラム酒が香る味わい深さが特徴。日本人の口に合わせて酒の量やバターで味を調整した。1個486円でJR松江駅(同市朝日町)などで販売する。桑友の青山貴彦理事長は「商品を通じて八雲の話題を家族や友人としてみてほしい」と話した。
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松江市の官民学でつくる協議会は2月に「あげ、そげ、ばけ。」のキャッチコピーと、八雲とセツの後ろ姿をデザインした統一ロゴマークを公開。申請すれば無料で市民や地元企業がグッズやポスターなどで使えるようにした。9月上旬で申請は約200件で9月29日開始の放送を前に申請数は増え続けているという。