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炎天下に犬放置…車道をウロウロ「危ない!」数十分後、戻ってきた飼い主に怒り心頭「許せない」

伊藤 大介 伊藤 大介

「炎天下の中ワンコが放置されている」。東京都足立区で、焼け付くアスファルトに残された犬の写真が波紋を広げています。

車道沿いのガードレールにリードを引っかけられた犬は、強い日差しから身を隠す日陰もなく、車道をウロついていました。「いつ車にはねられてもおかしくない」と通りかかった男性が犬を保護すると、犬は「ハアハア」と舌を出し、背中が熱くなっていました。

男性は犬を日陰に避難させ、水を持ってきた女性とともに犬を休ませました。約20分後、戻ってきた飼い主のノンキな第一声に、保護した男性は怒りを抑えられなかったといいます。「もう少し犬の気持ちになって行動してほしい」。犬を救助し、顛末(てんまつ)をX(旧Twitter)に報告した高沢守さんに聞きました。

高沢守さんは東京を拠点に動物愛護ボランティアとして活動しており、福島県の原発事故が起きた周辺では猫のTNR(Trap/捕獲し、Neuter/不妊去勢手術を行い、Return/元の場所に戻すこと)活動に取り組んできました。

 高沢さんが東京都足立区で放置された犬に出会ったのは、7月5日午後4時台だったといいます。気象庁によると、東京は当日、最高気温が34.4度に達しており、現場は午後4時になっても熱風が吹き付ける厳しい暑さが続いていました。

「日差しをさえぎる場所がほとんどなく、犬はリードにつながれたまま1メートルくらい車道に飛び出し、行き交う車が犬をよけて走行している状況でした。いつ事故が起きてもおかしくなかったです」。交通事故と熱中症のリスクから守るべく、犬を保護して数分待つも、飼い主は現れませんでした。

高沢さんはガードレールに引っかけられていたリードを外し、近くの日陰へ連れて行こうとしていると、近くの家から女性が水を持って出てきました。高沢さんが「あなたのワンちゃんですか?」とたずねると、女性は「いえ、違うんです。さっきから(炎天下に)いるんで、心配で水を持ってきたんです」と返答しました。

犬を女性宅前の日陰に移し、女性が持ってきた器に水を入れると、犬は喜んで飲み始めました。その後、女性と話しながら飼い主を待っていましたが、飼い主はやって来ません。「犬は捨てられたのかな…」。約20分が経ち、そんな不安が頭をもたげ始めた時、遠くから60代くらいの男性が歩いてきました。

飼い主の男性は開口一番「逃げちゃったか~」と言いました。高沢さんは「熱中症や交通事故に遭ってもおかしくない危険な場所に放置していたのに、『逃げちゃったか』というのは危機感がなさすぎる」と憤りを覚え、「こんな暑い中、どこに行ってたんですか」「アスファルトの熱い場所にワンちゃん放置していたら、倒れちゃいますよ」と訴えたところ、飼い主の男性は「ごめんねごめんね~」と軽く受け流し、犬を連れて去っていったといいます。

高沢さんは「ワンちゃんのこともう少し考えてください」と伝えるのが精いっぱいでした。「僕としては許せない。あってはならないことだと思います」

猛暑の散歩はペットの熱中症や肉球の火傷につながるリスクがあり、公益財団法人 日本動物愛護協会は「夕方5時、6時では、まだアスファルトの温度は下がりきっていません。早く散歩を済ませたいと思われるかもしれませんが、人間の生活のサイクルを変えて、犬を熱中症から守りましょう」とホームページで呼び掛けています。

X(旧Twitter)では「ワンコが心配」「ひどすぎる」「コンクリートの上、フライパンだよ」「飼い主は裸足でアスファルトに20分立ってほしい」と犬を心配する声や飼い主の対応への怒りのメッセージが寄せられていました。高沢さんは「散歩する時間や犬を待たせる場所について、十分配慮してほしい」と話していました。

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