昨年5月、近隣の猫事情に詳しい方から、「妊娠している野良猫がいる」と知らされた黒猫クロ(@touzainosaito3)さん。
野良だった愛猫、クロくんの保護を機に、野良猫のTNR(不幸な猫を増やさないため避妊去勢して元の地域に戻すこと)活動を行う黒猫クロさんは、その「妊婦猫」を保護。
ボランティア仲間に猫の出産に長けた動物病院を紹介してもらい、威嚇する母猫を連れていくと、母猫は推定2~3歳で、体内には「8匹」の子猫がいることが判明した。
警戒心全開の母猫と「8匹」の子猫をどうするのか?
「8匹」もの子猫をどうするのか?そもそも保護直後で全く自分に慣れていない警戒心全開の母猫をどう介助するのか?
大きな不安の中、まずは母猫に無事出産させることが先決だと判断した黒猫クロさん。
獣医師のアドバイス、図書館で借りた本、X(旧Twitter)を通じて寄せられた「猫の出産」に関する情報をもとに、暗幕などを施したいろんなタイプの産箱を作り、たくさんのタオルや布、保温用のペットヒーターを用意。
だが、いよいよその時が近づくと、責任感と不安で震えが止まらなくなったという。すると、愛猫、クロくんがそっと側に来てくれたことで落ち着きを取り戻すことが出来たそうだ。
「産まれた!産まれました!!8匹全員無事です。母猫もちょっとくたびれてますが大丈夫です。頑張ったね、がんばったね(涙)。みんな一生懸命お乳吸ってます。私はちょっと寝ます」
<黒猫クロさんのXの投稿より抜粋>
生きた心地がしなかった
その後、黒猫クロさんは母猫出産時のことを「マンガ」に描き、Xに投稿。
改めて当時のことを伺ったところ、「猫のお産に立ち会うなんて初めてのことだったので、無事に生まれるか、とにかく心配で怖かったです」と語る。
「獣医さんは、猫は安産が多いから大丈夫とおっしゃっていましたが、へその緒が首に絡みついて窒息したり、途中で詰まって出てこなくなったり、死産で体内に残った場合は即手術しないと母体も危険といった、万が一のケースも説明してくださったので、8匹全員が出てくるまで生きた心地がしませんでした…」(黒猫クロさん)
役立ったアドバイスと、後悔したこと
さらに大きな壁となったのが、保護直後だった母猫が全く懐いておらず、子猫を守るため、警戒心全開だったことだ。
「出産中は部屋の外で待機していましたが、高い鳴き声が上がるたび、異変がないか不安でした。獣医さんやXでみなさんがおっしゃっていた通り、出産後は出血と洋水で産箱はぐちゃぐちゃで、事前に準備していたたくさんのタオルや布が役立ちました。
出産後も母猫が警戒しており、トイレ掃除以外に母子の体調をほとんど確認できなかったのですが、本当は見たかったです…。出産前にペットカメラを買っておけばよかったと後悔しました」(黒猫クロさん)