社会の場において、自身が手がけた資料や成果物などを他者にチェックしてもらうことはよくあります。評価されることは貴重な機会ではあるものの、自信がない段階であれば結果を聞くまでに不安が募るものです。
漫画家の西沢ぼんさんが手がけた『初めて出張編集部に行った話+後日談』は、過去に自身が創作した作品を「出張編集部」に持ち込みした様子が描かれたレポ漫画です。創作者目線で語られた体験談がX(旧Twitter)にポストされると、多くの人から注目を集めて約9000件もの「いいね」が寄せられています。
同作の舞台は様々な出版社の編集者が一堂に集まるイベント「出張編集部」です。噂だけを頼りに、自身が手がけたBL漫画を持ってきた西沢さんは、会場の雰囲気に圧倒されながらも、読んでもらえる編集者を探していました。
探索しているうちに、2人の女性編集者がいる出版社に目をつけて席で待機する西沢さん。「私なんかが見てもらっていいんだろうか…」と不安を抱えていると、1人の男性が「先に本をお預かりしますね」と西沢さんに声をかけます。
「スタッフの人かな」と思いながらも自作の漫画を渡したところ、その男性は黙々と漫画を読み始め、「こちら空きましたんで お掛けください」と西沢さんを席に座るよう促します。どうやら彼は編集者だったようで、その後に書評が始まるのでした。
西沢さんのレポ漫画に対し、読者からは「行動力の高さに感心した」「後日談も面白い」などの声が上がっています。そこで作者である西沢さんに、同作を描いたきっかけについて話を聞きました。
―同作を描いたきっかけを教えてください。
出張編集部ってプロを目指してる人しか行けない、ちょっと怖いイメージがあったのですが、全然そんなことなかった!行って良かった!と感動したので、忘備録として漫画に残したかったためです。この漫画自体を描いたのが3年くらい前なのですが、あの後WEB持ち込みして感想いただいたな…と最近思い出して、いただいたメールを見返したら面白かったので、後日談として追記しました。
―創作した作品を編集者に見てもらう時は緊張されたかと思いますが、やはり自身の作品を第3者に見てもらうことは大切だと実感しましたでしょうか?
自分では分かっていても読者さんに伝わっていなかったり、自分が意図していない受け取り方をされたりすることって結構あるんですよね。担当編集さんの指摘にハッとさせられることがよくあります。登場人物がどうしてその感情に至ったのか、十分な情報が描写されているかの確認のためにも、誰かに見てもらって指摘をいただくのは重要だと思います。
元々漫画家志望だったわけではなく、このレポを描いた時は全然そんなことを考えてなくって。友人が出張編集部に行ったとツイートしていたので、「私も試しに行ってみよっかなぁ」みたいな興味本位でした。
―作中では編集者に作品を送っていないとのことでしたが、2025年になって送る予定はないのでしょうか?
ありがたいことに既に他誌でデビュー済みでして、新作のネームに割く時間が取れない状況です。あとはAさんの期待に応えられるほど私の画力が上がっているのか?と不安な部分もあり…(笑)。ここまでこれたのもAさんのアドバイスのお陰だと痛感しているので、いつかネームを送ってみたいです。
―読者にメッセージをお願いいたします。
出張編集部以外のレポ漫画も趣味でたくさんXに掲載してます。それとは関係ありませんが、今年は商業連載がスタートする予定なので、読んでいただけたら嬉しいです!
<西沢ぼんさん関連情報>
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