保護猫たちとの暮らしをSNSで発信している「さゆ」さん。子猫を4匹保護して家族同様に接しているうちに愛おしさが増し、猫たちとの時間をより多く持ちたいと、在宅時間の長いフリーランスへの転向を決心したという。その心情をご本人に聞いた。
猫との暮らしの中で人生の大切なものに気づいてあらたな道へ舵を切る
2020年の夏ごろ、さゆさんの実家の庭先にメス猫が5匹の子猫を連れて現れるようになり、一緒に暮らしていた父親がごはんをあげていた。
しかし当時は、今ほど可愛いとは思わなかったという。幼稚園教諭の仕事が忙しかったため余裕がなく、無責任な餌付けにも否定的だった。
可愛いと思えるようになったのは、幼稚園教諭を退職した後だった。
「幼稚園を辞めてから自分も世話に関わるようになって、可愛い、愛おしいと思うようになりました」
家の中へ自由に出入りできるようにしていたが、母猫と1匹の子猫だけは最後まで入って来ず、その子猫は間もなく姿を見せなくなった。
それから2年経ち、事故で死んでいる猫を父親が発見。4匹残ったうちの1匹だった。
「猫は自由がいちばん。閉じ込めるのは可哀想と言っていた父でしたが、とても後悔していました」
そのため、他の3匹は室内飼いにした。ある日、庭先で動けなくなっていた母猫を発見。緊急に保護して獣医に診てもらったところ「もう助からない」と宣告された。
「そのまま我が家に連れて帰り、毛布にくるんで膝に乗せ、ほんの数時間でしたが家族としての時間を過ごしました。そして翌日の深夜、虹の橋のたもとに旅立ったのです」
二度とこんな悲しい想いをしたくないと考えたさゆさんは、猫に関する正しい知識を身につけるため、愛玩動物飼養管理士2級と愛猫飼育スペシャリストの資格を取得したという。
その後、子猫をもう1匹保護して、猫家族は計4匹になった。
「先住のお兄ちゃんたちとは血縁がないのではじめは警戒されていましたが、今は仲良しで、お兄ちゃんたちの尻尾で遊んだり飛びかかったりしています」
その子が家を抜け出して、一時、行方が分からなくなったことがある。
「帰ってきたときは、みんなで匂いを嗅ぎ合って無事を確かめていました。我が家のリーダー猫からは『心配させやがって』と言わんばかりに、猫パンチをお見舞いされていました(笑)」
さゆさんは幼稚園教諭を辞めた後、子ども写真館に勤める傍らフリーランスでベビーシッターをしているが、猫たちと過ごす時間を大切にしようと完全にフリーランスへ転向する決意を固めた。
「不安はありますが、この子たちの今この瞬間はこの時しかないと思うと、一緒にいられる時間を大切にしたいと思いました」
今後はベビーシッターをしながら在宅で子ども関係のデザインやライターの仕事をしたいそうだ。そのための勉強や準備も進めつつ、子供写真館へは退職の意思を伝えた。
さゆさんは猫と暮らすようになって、自身の性格が前より明るくなったという。
「以前はすぐイライラしたり、ネガティブになったりしやすかったので」
さゆさんにとって猫とは?
「我が家の子どもであり家族。守りたい存在、愛しくて大切な存在です」
猫たちから人生を学ばせてもらっている気がしているともいい、明るく前向きなさゆさんだった。
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