1月23日付で芸能界を引退した中居正広さんの女性トラブルに、フジテレビ社員が関与していたなどと週刊誌で報じられた問題で、同局のCMの多くがACジャパンの公共広告などに差し替えられています。このため、フジテレビで今もCMを流している企業は“悪目立ち”する格好になっており、SNSなどでは「どんな接待を受けていたのか」といった憶測に基づいた軽率なコメントが飛ぶことも。そんな中、トラブル発覚後もCM出稿を続けているベリーベスト法律事務所の代表弁護士である酒井将さんが、一部の広告主が「CMを流さざるを得ない」理由についてXに投稿。注目を集めています。
同事務所は2010年に設立され、全国76拠点(2025年1月現在)。所属弁護士は約340人を数えます。
酒井さんは21日、CMを差し替えていない同事務所が「どんな接待を受けていたのか」という投稿を引用する形で、自身のXアカウント(@sakaisusumu_vb)で「フジテレビでテレビCMを流していると、視聴者の方々からご批判のご連絡をいただくのだが、全くのとばっちりである」と反論しました。
「CMを差し替えても広告費用の負担は広告主」
酒井さんは「CMをAC広告に切り替えたところで、投下した広告費が戻ってくるわけでもなく、広告費用分の損害が発生するだけである。フジテレビが損害を補填してくれるわけでもない」と出稿側の事情を説明。その上で、「ナショナルスポンサーのようにCM費用をドブに捨てられるほどの資金力があるわけではないから、イメージが悪くなるリスクを冒してでも、テレビCMを流さざるを得ないが、そうすると『接待を受けていたのに違いない』などと想定の斜め上からのご指摘を受けたりする」と嘆きました。
さらに同事務所は23日、ホームページに「フジテレビにおけるテレビコマーシャルの継続につきまして」とする声明を掲載。「当事務所が(略)コマーシャルの放送を継続していることにつき、ご依頼者様および関係者の皆様に多大なるご心配をおかけしておりますことを深くお詫び申し上げます」とした上で、多くの大手企業がCMを差し替えていく中においても「当事務所は、引き続き差し替えを行わない意向です」と明言しました。
「CM出稿はフジテレビの支持を意味しない」
その理由として、「当事務所のテレビコマーシャルは、主としてB型肝炎給付金請求・アスベスト健康被害給付金賠償金請求という国の制度の告知を兼ねております」と説明。「極めて公共性が高いもの」であり、「被害者の方々への告知を行き届かせて、被害の救済を広く進めるためにも、安易にAC広告に差し替えるべきではないと考えております」とのスタンスを示しました。
さらに、「AC広告に差し替えたとしても、既にフジテレビに支払われた広告料は返還されませんので、広告を放送し続けることがフジテレビの支持につながるわけではありません」と強調し、CMを差し替えないことに対する理解を求めています。
一方で、24日にはフジテレビがCM差し替え分の広告料を請求しない方針であるとの報道も。世間の反応を受け、事態は日々、目まぐるしい動きを見せています。