【おならを科学する】低フォドマップ食品で腸内ガス抑制 家族といるときに「我慢」は8割

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なお、おならの「におい」や「音」の原因、およびその「対策方法」について、大腸肛門病センター高野病院理事長の高野正太先生は以下のように解説しています。

【おならとは】
おならの成分の大部分は、食事中に口から取り込まれた空気です。これに大腸内の腸内細菌が食物を分解する際に作り出すガスが加わり、腸には約1リットルのガスが存在するといわれています。

これらが体外に排出されたのが“おなら”です。どちらの成分も体内に蓄積することは望ましくないため、我慢しないことが重要です。おならは「排出すべきもの」として理解するべきです。

【においが臭くならないようにするためには】
においの原因は腸内の細菌が食べ物を分解する際に発生するガスで、前日の食事内容だけでなく、日々の食生活が腸内環境に与える影響も大きく関わっています。脂肪分の多い肉やアルコールを頻繁に摂取する人は、おなら臭が発生しやすいとされています。

一方で、海藻類や水溶性食物繊維を含む食品、漬物、納豆、チーズなどの発酵食品は腸内環境を改善し、においの軽減につながります。効率よく腸内環境を整える上でビフィズス菌・乳酸菌配合のサプリメント等を摂取いただく方法もあります。においの原因となる腐敗産物の発生を抑制する効果につながります。

また、食生活だけでなく、ストレスも腸内環境を乱し、においの原因となることがあります。また、おならを我慢すると、排出されないガスが血液中に吸収されて、口臭や体臭の原因となり、別のにおいの問題を引き起こすこともあります。

【おならの音が出ないようにするためには】
正直に申し上げますと、おならの音に差が生じる理由については明確には解明できていません。力を入れて出す際の音は、腹圧の影響によるものと考えられますが、突然出てしまうおならの音は、ガスの蓄積が一因である可能性もあると思われます。このような音を避けるためには、無理に我慢せず、出せるタイミングで静かにおならをすることが望ましいと考えます。

【話題の「低FODMAP(フォドマップ)食品(※)」でガス発生をしづらくし、おならを抑えよう】
腸の動きを安定させ、腸内のガスの生成を抑えるためには、腸内細菌のバランスを維持することが不可欠です。納豆や漬物といった発酵食品、大豆製品、食物繊維が豊富な食品を積極的に摂取することをお勧めします。

しかしこれら腸内細菌に良いとされる食品を摂取すると、逆にお腹が張ると感じる人もいらっしゃいます。そこで、最近注目を集めているのが「低FODMAP(フォドマップ)食品」です。

腸内環境は個人によって異なり、状態によってはFODMAP食品が腸内細菌によって活発に発酵され、ガスが生成され、おならになることがあります。腹部の膨満感を引き起こしやすい食品は「高FODMAP食品」と呼ばれ、逆に少ない食品は「低FODMAP食品」と称されます。

腸内にガスが発生しやすくおならにつながる場合は、高FODMAP食品を避け、低FODMAP食を摂取するようにします。腹部の膨満感が軽減した段階で、高FODMAP食品を一品ずつ試し、自分に適した食品を見つけるプロセスをお勧めします。

(※)発酵性(Fermentable)」「オリゴ糖(Oligosaccharides)」「二糖類(Disaccharides)」「単糖類(Monosaccharides)」「ポリオール(Polyols)」の五つの頭文字を組み合わせたもので、消化や吸収が難しい発酵性の糖類を指します。

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