岡山で水揚げされたクロダイ(チヌ)のなめろうや揚げた皮、地元産ノリを載せた岡山県漁連考案の丼「岡山海の幸ブラック丼」が、全国の水産物グルメの人気を競う2024年度の「Fish-1グランプリ」で2位相当の準グランプリに選ばれた。おいしさとともに、クロダイの消費拡大で食害を防ぐといった地域特有の課題解決を目指すコンセプトが評価された。
大会は全漁連などが主催。42品の応募から書類審査を通過した8品を販売し、購入者や水産関係者らの審査員に投票してもらう本選が4日、東京・お台場で開かれた。身の歯応えが楽しめるなめろうに加え、骨からとっただし汁をかけて茶漬けも味わえるブラック丼は約400杯が売れ、宮城県の海鮮ピラフに次ぐ人気を集めた。
瀬戸内海のクロダイは近年、養殖マダイなどの普及で消費が低迷し、養殖のノリやカキへの食害も起こしている。県漁連は本選で、漁獲や消費を増やし食害を防ぐ狙いもPRしたといい、審査員からは「クロダイを悪者にせず、おいしさを生かしている」と評されたという。
伊勢エビやカニを使ったグルメを抑えた結果に「派手さはないが、魚本来の魅力を伝えられた」と県漁連第一業務部の山本和弥部長。今後はレシピの公開や飲食店向けの商品化を進める計画で「受賞は消費拡大のチャンス。うまい地魚として普及を図りたい」としている。