30歳以下の若手管理職の2人に1人が「やめられるなら管理職をやめたい」と回答――そんな調査結果が、株式会社あしたのチーム(東京都中央区)による「30歳以下の若手管理職に関する調査 <マネジメントの悩み編>」でわかりました。「管理職をやめたい」と思う理由にはどのようなことがあるのでしょうか。
調査は、部下のマネジメント経験が2年以上4年未満で、直接マネジメントする部下が2人以上いる全国の30歳以下の正社員男女216人を対象として、2024年7月にインターネットで実施されました。
まず、「管理職としての悩み」を聞いたところ、「チームの人材不足」(30.1%)、「部下のモチベーション管理」(27.8%)、「部下とのコミュニケーション」「自分自身のスキル不足」(いずれも26.4%)などが上位に挙がった一方、最も回答割合が少ないのは「組織内の政治や人間関係」(15.3%)でした。
次に、管理職を経験してみて、「管理職をやめられるならやめたいと思いますか」と尋ねたところ、全体の55.1%が「やめたいと思う」(そう思う21.8%、ややそう思う33.3%)と回答しています。
「管理職をやめたい」と答えた割合を管理職に対する意向別に見ると、「管理職になることを希望していなかった人」は62.1%と全体(55.1%)より多くなっており、「管理職になることを希望していた人」でも54.5%と半数以上となりました。
さらに、「管理職をやめたいと思う理由」としては、「仕事量やストレスに対して報酬が低すぎる」(25歳男性)、「ストレスが多く、プライベート時間が減るためバランスが取りにくい」(28歳女性)など、業務負荷やストレスに対して報酬が低いこと、長時間労働によりプライベートの自由時間が少ないなどの意見が多く聞かれました。
他方、「上司にしてもらってうれしかったこと」については、「判断に迷った時点で遠慮なく何度でも聞いてよいと言ってもらえたこと」(29歳男性)、「業務の進捗状況を定期的に見てもらっていたこと」(29歳男性)などの声が寄せられています。
そのほか、「先輩管理職の真似したいこと」では、「自己分析をさせて成長に導く」(27歳女性)、「理由を聞かずに怒ったりしない」(23歳男性)といった部下に寄り添う姿勢を真似したいという意見が多くみられました。
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これらの調査結果を踏まえて同社は、「日本の、特に中小企業では、人材不足のため管理職がマネジメント業務に専念できず、プレイングマネージャーになることがほとんどです。さらにマネジメント業務に対する報酬設定がされていないケースも多く見られます」と指摘。
そのうえで、「人事評価の目標設定の際、会社が期待することと社員個人の希望をすり合わせ、現状よりほどよく上の状態を目標とすれば、目標達成に向けた行動計画が個々の社員にパーソナライズされた人材育成プログラムになります。個人目標達成が会社利益に結び付き、個人に報酬として還元される仕組みがあれば、社員の自律的・継続的な成長意欲につながります」と述べています。