『ONE PIECE』見逃せない脇役たちの大活躍! ヤマト、ベンサム、しらほし…ルフィたちの冒険を支えた立役者たち

海川 まこと 海川 まこと

週刊少年ジャンプ(集英社)で連載中の『ONE PIECE』(作:尾田栄一郎)の世界では、一見脇役に思えるキャラクターたちが、後の展開に大きな影響を与えていることが多々あります。中には、このキャラクターとルフィたちが出会っていなければ、麦わらの一味の冒険が終了していたかもしれないほど重要な役割をはたしていることも。

例えば、元四皇の一角であるカイドウの子ども「ヤマト」は、ワノ国でのルフィたちの戦いに大きな貢献をした人物です。ルフィたちの敵であるカイドウの血族であるにもかかわらず、カイドウたちの魔の手からワノ国を守るために貢献しました。

なかでも特筆すべきは、ワノ国の伝説の侍・光月おでんの遺した航海日誌を、彼の息子である光月モモの助に読ませたことでしょう。おでんの航海日誌を読んだモモの助は、自分が決して死んではならないことを理解し、命をかけてワノ国を守ります。最終的にルフィたちはカイドウとの戦いに勝利し、モモの助は父の後を継いでワノ国の将軍になり、後に「名将軍」と謳われることになりました。この勝利はヤマトの貢献があってこそ達成できたものではないでしょうか。

また、犯罪組織「バロックワークス」の一員である「ベンサム(Mr.2ボン・クレー)」も、忘れられません。一度触った相手そっくりに変身できる“マネマネの実”の能力者であるベンサムは、当初はルフィたちの敵として登場しました。しかしアラバスタ編の序盤でルフィたちと意気投合し、同編の終盤には、海軍の追手からルフィたちを逃がすために自ら囮になったのです。

ベンサムの貢献は、それだけに留まりません。彼は海底の大監獄“インペルダウン”に収容されており、義兄であるポートガス・D・エースを救うためインペルダウンに潜入したルフィと再会します。

監獄署長である“ドクドクの実”の能力者・マゼランの毒に侵されて瀕死となったルフィを助け、さらにルフィたちが脱獄する際、脱獄に必要不可欠な“正義の門”を開けるためにインペルダウンに残ることを決断したのでした。自分の命を懸けて二度もルフィたちの冒険の手助けをしたベンサムは、まさに影の立役者といえるでしょう。

続いて、魚人島にあるリュウグウ王国の王女「しらほし」にも注目しましょう。実は彼女の正体は、数百年に一度生まれるという“海王類と会話ができる人魚”であり、古代兵器のひとつである“ポセイドン”でした。

存在自体が『ONE PIECE』の世界において重要な役割を果たしそうなしらほしですが、彼女のある行動もまた、ルフィたちの冒険の大きな手助けとなりました。

“魚人島”編で登場した海賊バンダー・デッケン九世は、しらほしに一方的な想いを寄せていました。しらほしに失恋したデッケンは、逆恨みから魚人島ごとしらほしを滅ぼすため、“マトマトの実”の能力を使って方舟・ノアを投げ飛ばします。しらほしは魚人島を助けるために、海王類の力を使ってノアの動きを止め、魚人島は危機を脱することができました。

魚人島が滅んでしまえば、そこにいたルフィたち麦わらの一味も全滅していたと考えられます。海王類と会話ができるというしらほしの特別な力が、結果的にルフィたちを救うことになったのです。

このような脇役キャラクターたちの活躍があってこそ『ONE PIECE』の物語が成り立っているのではないでしょうか。

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