「ヤマダさん」と飼い主のX(旧Twitter)ユーザー・PikKa(@333ma3)さんとの出会いは、2019年7月に突然訪れました。
飼い主さんは近所の人から、「物置となっている外廊下の付近で子猫の鳴き声がする」と教えられます。鳴き声の主は、お腹を空かせて母猫を探している小さな子猫。しかし、近くに母猫の姿は見当たりませんでした。
動物好きで、すでに2匹の犬とともに暮らしていた飼い主さんは、子猫を放っておくことはできませんでした。すぐに、かかりつけの動物病院に相談し、アドバイスを受けたうえでその子猫を保護しましたのです。
「保護後は、すぐに人間にも慣れてくれて、家での生活に適応するのも早かったですね」と飼い主さんは振り返ります。生後わずか1カ月の小さな体で鳴いていたヤマダさんが、こうして新たな家族の一員として迎え入れられました。
健康回復に努め、手術を乗り越えた子猫時代
ヤマダさんを保護した時、その状態は決して楽観できるものではありませんでした。
栄養失調で体はガリガリに痩せ、ノミや目やににまみれて衰弱していたのです。「健康を取り戻すまで約3カ月かかりました」と飼い主のX(旧Twitter)ユーザー・PikKa(@333ma3)さんは言います。栄養たっぷりの食事と駆虫処置を続けることで、少しずつ回復に向かいました。
さらに、生後半年を迎えるころには「腸重積」という病気を患い、緊急手術を受けることになります。この手術は命にかかわるものでしたが、無事に成功。術後のケアでは、高い場所に登らないよう家具の配置を変え、怪我を防ぐための工夫もしました。
その後、去勢手術も無事に済ませたヤマダさんは、徐々に健康を取り戻し、今では5歳を迎えるまで順調に育っています。
「とても好奇心旺盛で、遊ぶのが大好き。少しずつ体つきもたくましくなり、順調に回復してくれてホッとしました」と、回復したときの安堵感を飼い主さんは語ります。また、先住犬2匹にも臆することなく、家の主のような貫禄を持つようになったのも、ヤマダさんの成長の一つです。
家族を変えたヤマダさんの存在
ヤマダさんが家に来たことで、家族にも大きな変化が訪れました。「実は、私以外の家族はみんな猫が苦手でした」と飼い主さん。
しかし、ヤマダさんは家に迎え入れられてすぐに飼い主さんの母親に懐き、母親は一瞬でヤマダさんにメロメロになってしまったそうです。
ヤマダさんの性格も、家族との関係を大きく変えました。家具で爪を研ぐこともなく、トイレの粗相もないため、手がかからない子猫として家族に受け入れられ、ヤマダさんが家族の一員として存在感を増していきます。
また、飼い主さん曰く、「家族内では、誰がヤマダさんに一番慕われているか、添い寝の頻度が高いか、かわいい仕草を見せてくれるかなど、話題にすることが多いです」。ヤマダさんは、自然と家族の中心的な存在になりました。
成長とともに、少しクールな性格になってきたというヤマダさん。「昔はずっとくっついてきてくれたのに、今は添い寝も遊びもしなくなりました(笑)」と、少し寂しそうに飼い主さんは話します。しかし、そんな中でも、ヤマダさんは家族に大きな愛情を与えてくれていることに変わりありません。
今後もともに歩む未来
保護当初から、ヤマダさんとともに過ごす時間は飼い主さんにとって特別なものとなっています。
「子猫の時期はあっという間でした」と振り返る飼い主さん。健康回復のための看病や緊急手術、日々のケアなど、大変な日々も今では懐かしい思い出となっています。『ゆっくり成長してほしい』と思っていましたが、たくましく育ってくれて嬉しいです。それと同時に、少し寂しさを感じることも。親心でしょう(笑)」と、率直な心境を語ってくれました。
これからもヤマダさんには、健やかで穏やかな日々を過ごしてほしいと願う飼い主さん。「室内で安全に暮らし、危険にさらされることがないように努めていきたい」と語り、猫の完全室内飼育についてより広く認知され、「猫が安全に暮らせる環境を得られるようになってほしい」と望んでいます。
ヤマダさんと飼い主さんとの出会いは、家族の生活を大きく変えました。これからも、ヤマダさんは大切な家族の一員として幸せな日々を過ごしていくことでしょう。