2024年5月末、X(旧Twitter)・鮭チーズ猫さんとその夫は、ある譲渡会に足を運びました。人気のある若い子猫たちは次々と里親が決まっていく中、夫の目に留まったのは、会場の端で静かに丸まっていた生後推定10カ月ほどの女の子「りま」ちゃん。
譲渡会では比較的大きく見える年齢で、他の若い子猫たちと比べると、少し目立たない存在でした。しかし、りまちゃんには、飼い主さん夫婦の心を揺さぶる過去があったのです。
「外でトリモチに引っかかり、脱毛や飢えで衰弱していたところを保護された」と、保護主さん。幸い、健康を取り戻し、譲渡会には初めて参加したばかりだったそうです。
その境遇に心打たれた飼い主さん夫婦は、りまちゃんを家族に迎えることを決めました。「少しでも家族が見つかりにくい子を迎えたい」という飼い主さん夫婦の優しさが、りまちゃんとの新しい生活をスタートさせるきっかけとなったのです。
心を開く瞬間――りまちゃんの成長と絆
りまちゃんをお迎えしてから、まだそれほど時間は経っていないものの、飼い主さんには心に残っている出来事があります。それは、りまちゃんが自分から布団に潜り込み、腕を枕にして眠ったときのこと。「もともと1人で寝るのが好きな子だったので、びっくりしました」と、飼い主さんは振り返ります。
人間を嫌がるわけではなく、むしろ友好的な性格のりまちゃん。しかし、おうちにやって来てから、寝るときはいつも座椅子やクッションの上で“ひとり寝”をしていたのです。そのため、りまちゃん自ら飼い主のもとへやって来て眠ったのは、飼い主さんに心を開いている証とも感じられました。
このことは飼い主さんにとって大きな喜びであり、「この子を譲っていただいて本当に良かった」と改めて感じさせてくれた瞬間でもあったようです。
また、りまちゃんはとても食欲旺盛で元気いっぱい……! まだ1歳に満たないため、子猫らしい元気さを保ちながら、四六時中「ごはん、ちょうだい!」と飼い主さんの顔を舐めたり、髪をちょいちょいしたりと、さまざまな方法でアピールするそうです。
りまちゃんの気をそらすために“ねこじゃらし”で一緒に遊ぶなど、工夫をしているという飼い主さん。活発なりまちゃんへの対応にてんやわんやすることもありますが、にぎやかで楽しい日々を送っています。
りまちゃんが家族に与える幸せ
もともと臆病で「人に慣れるまで時間がかかるだろう」と言われていたりまちゃん。
飼い主さんのおうちでは、そのような心配はほとんど不要でした。わずか数日で部屋を駆け回り、好きな場所でゴロゴロと転がり、飼い主さんのあとを追いかけるように。本来の天真爛漫な姿を取り戻しました。
りまちゃんが家にやってきてから、飼い主さん夫妻の生活は大きく変わったといいます。四六時中、りまちゃんのことを考えるようになり、会話は、りまちゃんのことが中心になりました。「家の中にアイドルがいる毎日です」と飼い主さんは微笑みます。
りまちゃんは、まさに飼い主さん夫婦にとって、日々の癒やしそのものになりました。
「りまには健やかに、のびのびと自由にすごしてほしい」と話す飼い主さん。りまちゃんの幸せのために、これからも猫について学び、より良いお世話をしていくことを誓っています。飼い主さん夫婦の愛情に包まれながら、りまちゃんはこれからも幸せな日々を過ごすことでしょう。