今週末は秋雨前線の影響を受けて雲が広がりやすいものの、前線が本州の南に下がって活動もやや弱まるためところどころで晴れ間が期待できる見込みです。大気の状態が不安定になるため急な雨には気を付けてください。山岳紅葉は記録的な暑さの影響で3000m級の稜線でも色づきがあまり進んでいませんが、場所によっては紅葉が観られるため晴れ間をついて狙いに行く価値は十分にあると思います。
衛星画像 季節を分ける秋雨前線が停滞
衛星画像を見てみると、日本列島に沿うように秋雨前線の雲が広がっています。秋雨前線には太平洋の高気圧の縁を回って流れ込む湿った空気と、台湾の南にある熱帯低気圧周辺の湿った空気が流れ込んで、雨雲が活発になっているところがあります。
今年は太平洋の高気圧の勢力がまだ残っており、前線の北側に広がる秋の空気がなかなか本州までおりてこないことが特徴で、10月に入っても移動性高気圧による秋らしい晴天がみられません。また気温が高い状態も続いています。
このため一足先に紅葉が見頃を迎えている北海道大雪山を除いて本州の葉の色づきが例年に比べて遅れていましたが、ようやく中部山岳でも一部で紅葉が観られるようになってきました。北アルプスでは、上高地周辺は夏から秋にかけての記録的高温の影響で色づきに遅れがみられますが、立山室堂や涸沢周辺では先週ごろから冷え込みが強まったため紅葉が見頃を迎えつつあります。南アルプスでは、高温の影響で稜線の木々の色づきが悪いものの草紅葉などは見られるようです。
土曜日 秋雨前線が南下 太平洋側で曇りや雨
5日(土)は秋雨前線が本州の南に下がり、活動がやや弱まる見通しです。日本海には移動性高気圧が進んでくるでしょう。
日本海側の地域では晴れるところが多くなる見込みです。大雪山や鳥海山では天気が回復して朝から晴れてくるでしょう。北アルプスや白山、伊吹山、大山でも晴れ間が出ますが、北アルプスでは午後は大気の状態が不安定になるため急な雨に注意してください。一方、太平洋側の地域は湿った空気や前線の影響を受けて曇るところが多い見通しです。とくに関東山地や南アルプス周辺は雨が降る可能性が高いでしょう。
この時期、本来であれば突然の雪を警戒しなければなりませんが、平年に比べて気温が高いため、雨が雪に変わるところはない見込みです。
日曜日 前線活動弱まるが午後は大気不安定
6日(日)も秋雨前線は本州の南に停滞しますが、活動は比較的弱いでしょう。北日本や日本海は高気圧に覆われる見込みです。高気圧に覆われるため大雪山は引き続き晴れるでしょう。東北以南の山は前線に近い太平洋側を中心に雲が広がりやすいものの、昼頃にかけてところどころで晴れる見込みです。ただし湿った空気や日中の気温上昇の影響で大気の状態が不安定になるでしょう。急な雨に注意してください。
7日(月)以降、秋雨前線が北上し、前線活動も活発になる見通しです。長期縦走は天気の変化や風の強まりに注意してください。