「ネグレクト・暴力の現場からレスキューされた凛々。
無表情・無抵抗だった凛々も、今ではすっかり甘えん坊
賢いとされるサビ猫ちゃんだけあって、すぐに環境にも適応してくれました。出産ももうすぐ。」
飼い主からネグレクトと暴力を受けていたというサビ猫の凛々(りり)ちゃん。1歳の妊婦猫です。出産はもうすぐと5月下旬、とある保護ボランティアがレスキューに乗り出しました。
靴を脱いで入るのがはばかられるほど汚い室内に多数の猫 足の骨が折れいていた子も
現場の住宅は、靴を脱いで入るのがはばかられるほど汚れている状態。そこには凛々ちゃんだけではなく、たくさんの猫たちがいました。足の骨が折れて、おかしな方向を向いてしまっているような子がほとんど…日常的に蹴られるなど虐待を受けていたとのこと。生まれてきた子猫たちは山に埋められたり、用水路に流されたり。高い場所から落として殺されたりということが当たり前に行われていたといいます。ボランティアさんによると、猫たちはどの子も表情が全くなかったとか。
「凛々も同様、表情がありませんでした。飼い主が凛々の過去を説明する際に、凛々の大きなお腹をバンバン叩きながら話していたそうなのですが、凛々は無表情のまま、全く動かなかったそうです。そのまま、テーブルから落とされたそうですが、それでも表情1つ変えることなく凛々は無抵抗だったと保護主さんが教えてくれました。飼い主が猫を手放すという気が変わらないように、必死で堪えたそうです…」
こう話したのは、保護ボランティアから凛々ちゃんの保護の“バトン”を受けた個人で保護猫のボランティア活動をしている凛(Rin)さん。凛々ちゃんをおうちにお迎えした際、とてもおびえた様子でしたが、翌日からは少しずつ表情が出てきて、スリスリしてくれるように。また病院でエコーとレントゲンを撮った結果、6匹の赤ちゃんが確認できましたが、2匹には動きがなく、もしかしたら死産の可能性もあると医師からは伝えられました。
いよいよ妊婦猫が出産 1回目の出産はパニックを起こしたが…
「出産はおよそ2週間後。その間にこの2匹が死んでしまうと、母体と4匹の赤ちゃんの命にも関わる状況になってしまうということで、凛々の体調の変化にはとても気を付けていました。瓜実条虫(ウリザネジョウチュウ)という寄生虫も発見したのですが、ドロンタールという駆虫薬が胎児が奇形になる可能性があるということで、妊婦には禁忌。出産後まで駆虫はできませんでした。以前の家での凛々の生活環境が良くなかったこともあり、凛々自身も赤ちゃんたちの無事も不安だらけでしたね」
実は凛々ちゃんは今回2度目の出産。 1度目の出産では痛みのせいかパニックになって、暴れ回っていたそうです。羊膜も破れず、子どもたちはそのままになって命を落としてしまったとのこと。とはいえ、6月に入りいよいよ2度目の出産となった凛々ちゃん。お腹にいた6匹全て無事に生まれてきてくれたのです。
「凛々は1回目にパニックを起こしたなんて、想像もつかないほど甲斐甲斐しいママでした。ただ出産した翌日に体調を崩してしまって。吐いて食欲もない。授乳中で飲める薬にも制限があるので、この時は輸液と吐き止めの処方をしてもらいました。そこから12日後に、凛々の背中の皮下にあった膿疱(のうほう)が破れ、膿が吹き出してしまって。どうも古い傷が化膿して、皮下に溜まり続けていたようです。うちでは、ケンカもありませんし穏やかに暮らしていましたので、おそらく以前の家でついた傷だと思われます」
そして、せっかく生きて産まれたてきてくれた2匹が、出産から2日後と13日後に虹の橋を渡りました…。もともと動きがなかったという2匹でしたが、凛々ちゃんが妊婦だった時期に穏やかに暮らせていたならば回避できたかもしれないと、悔しさと悲しみでいっぱいだったという凛さん。「ネグレクトや、まして暴力に強い怒りを感じますが、この先の凛々とその子どもたちがめいいっぱい幸せであることを祈ります」と話します。そんな劣悪な環境で過ごしてきた凛々ちゃん。親子ともども、里親募集をしているそうです。
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ネグレクト、暴力など虐待からレスキューされた凛々ちゃんのエピソードを凛さんがInstagramに投稿。話題になり、たくさんのコメントが寄せられました。
「りりちゃんを救い出して、保護して、大事にして頂いてありがとうございます」
「かわいい猫に虐待とか、なんでそんな酷い事ができるの信じれない」
「なにをどうなったら暴力振るおうと思うの?」
「お腹の中の赤ちゃんも無事だったなんて、奇跡か凛々が守っていたのか 本当に良かった」
「ママ猫さんをお世話し出産を見守って下さった事に感謝です」