「人生の半分を一緒に過ごしてくれてありがとう」 夜中に助けた小さな命は、22年間も家族の一員に…長寿猫スズちゃんの物語

古川 諭香 古川 諭香

22年という長きに渡り、家族から愛され、虹の橋へ旅立ったスズちゃん。人生の半分を一緒に過ごしたスズちゃんは、飼い主ハルマさんにとって「愛猫」以上の存在です。

真夜中に公園の草むらで子猫を発見!

2001年、夜中に近所の公園から子猫の鳴き声が聞こえたため、飼い主さんは旦那さんと一緒に現地へ。草むらを車のライトで照らし、子猫を探しました。

すると、発見したのは手のひらサイズほどの子猫。飼い主さん夫婦は小さな命を大切に連れ帰り、家族の一員にしました。

スズちゃんは人懐っこい猫に成長。帰宅時には玄関で待ち、毎日、家族をお出迎え。「おかえりなさい」と言っているかのような「ニャ~」を聞かせてくれました。

当時、自宅にはスズちゃん以外に、トラコちゃんやハルマくんも生活。優しく、しっかり者のスズちゃんは、あまり仲が良くないトラコちゃんとハルマくんの仲裁役だったそう。いつも、上手く仲を取り持ってくれていました。

「でも、若い時は屋根から降りられなくなったり、洗濯機から出られなくなったりし、何度も驚かされました(笑)」

21歳で「長寿猫」として獣医師会から表彰された

大好きな愛猫に長生きしてもらいたいという想いから、飼い主さんは日常の中でストレスをかけないように配慮。嫌がることはなるべくしないように心がけ、年中、水ではなく白湯をあげるようにしていました。

「スズはゴロゴロ音が小さくて聞こえないけれど、喉を触ると鳴っているのが分かってかわいかったです」

飼い主さんの細やかな工夫もあったから、スズちゃんは長寿猫に。21歳の誕生日を迎えた時には、富山県の獣医師会から表彰されました。

しかし、同時期、歯肉炎になり、食事が困難に…。病院へ連れて行くも、老猫であることから全身麻酔での抜歯手術はリスクが高くてできず。注射と塗り薬で対処することになりました。

その後、スズちゃんはなんとか回復。しかし、ほどなくして歯肉炎が再発。22歳になった頃には「ちゅーる」や流動食の生活となり、急激に衰えていきました。

振り向けば愛猫の姿があるような気がする…

1日でも長く生きていてほしい。そんな想いから、飼い主さんはスズちゃんを懸命にサポート。スズちゃんも、オムツ姿で頑張ってくれました。

しかし、2023年3月26日の早朝5時にスズちゃんは息を引き取り、天国へ。長い月日を一緒に過ごしてきた飼い主さんは深い悲しみに襲われました。

「でも、不思議とペットロスって感じはありませんでした。今も遺骨と写真に向かって毎日、話しかけているし、振り向けば、まだ後ろにスズがいるような気がしています」

もしかしたら、まだスズの死を受け止められていないのかもしれない――。そう話す飼い主さんは、出会いから22年10カ月も生きてくれた愛猫に「お疲れ様!ありがとう」との言葉を贈りつつ、生まれ変わったスズちゃんと、いつか奇跡の出会いがあると信じています。

いつか、また会おう。天国で飼い主さんを見守るスズちゃんも、きっとそんな家族愛を胸に抱えていることでしょう。

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