神奈川県のK家で人慣れ訓練中の猫のつみれちゃん(推定2歳)は怒っています。怒っているから、家族の誰とも一緒に寝ませんし、いつも部屋のすみっこにいるんです。部屋のすみっこから、家族の様子をじーっと眺める。
そんなつみれちゃんをお母さんは、「いつか分かってくれる」と気長に待っています。だって、それまでも話せば分かってくれていたからです。つみれちゃんがお外で暮らしている時から、たくさんお話をしてきました。たくさんお話をしたから、今、お家につみれちゃんがいます。
家に迎えないなら、ご飯をあげちゃいけない
つみれちゃんとお母さんが初めて出会ったのは、2023年3月ごろ。初めて猫カフェに行って3日後に、お家の庭にひょろっと現れました。首輪がついておらず耳カットもされていないので、恐らく野良猫です。
つみれちゃんは遠くから見ると、なんだか鰯のつみれっぽい。だから、お母さんが「つみれ」と呼び始めると、3人の子どもたちも呼ぶように。すると、つみれちゃんも自分の名前だと認識し始めました。
そうなると、俄然愛着がわいてきます。「ご飯をあげたい!」と思いましたが、K家の人たちは思いとどまります。お家の子にすると決めた猫じゃないと、ご飯をあげてはいけないと知っているから。
でも、お水ぐらいなら良いかなと思い、ボウルにお水を入れて庭に置きました。
「お水、ここにあるからね」
お母さんはつみれちゃんに声をかけます。つみれちゃんは嬉しそうにお水を飲んでくれました。