「入学式から一週間経ち『小学校どう~?』と聞かれた息子、真っ先に答えたのは『えっとね、学校の時計はぜんぶCitizenだったよ~』で、時計以外の感想がほぼ出てこない」
時計好きな息子さんについて綴ったぴさん(@pirorincello)さんの投稿がXで話題になりました。
0歳の時から時計をこよなく愛するぴさんの息子さん。4歳の頃には食事後に自分の時計コレクションのところに急行し、手に取ったり眺めたり鳴らしたりしながら「時計はデザート…」と呟くようになったくらいの筋金入り。
5歳前には、「ねぇねぇ、『へ』っていうもじ、そのまま上と下ひっくりかえしたら、じゅうじじゅっぷんにならない?」と喜んでいたそう。
今回は、そんな時計に夢中の息子さんならではのエピソード。ワクワクドキドキしながら過ごす1年生のはじまりについて、ぴさんにお話を聞きました。
おもちゃ売り場よりも好きなのは…
――息子さんは0歳から無類の時計・数字好きと。
生後2~3カ月の頃に、数字がテーマの絵本を見せたらページが進む毎にとても嬉しそうにしていて、それが初めて見た意思を持った笑顔らしい「笑顔」でした。
それからはどんな絵本を見てもページ数が書いてあるところを気にしていたり、「この子は数字が好きなのかな」とうっすら思っていました。夫家族が全員理系なので、遺伝かな~と気楽に考えてる程度でした。
――生まれながらにして数字が好きだったのですね。
その後、保育園の先生から1歳前くらいに「時計を見ると指をさして何か言いたそうにしていて、時計の歌を歌うと喜ぶ」と言われ、数字関係の中でも確かに時計が一番好きなようだということに気が付きました。
ーーやはり日常でも時計への愛が?
低年齢の時の愛読書はもっぱら時計のカタログだったので、遠出する場合はおもちゃや絵本ではなく必ず持参していました。家電量販店などでも、おもちゃ売り場には見向きもせず通り過ぎて時計売り場に直行します。
外を歩くと真っ先に時計を見つけてくれるので、時計を持っていない時に時間を知りたいときにはとても便利です。もしも迷子になったとしても(なったことはないですが)、時計のある場所に行けば見つかりそうだなと思います。
――それで入学後の小学校の時計のチェックもぬかりなく…!
習い事の先生が「小学校どう~?」を聞いてくれたのですが、先生も私もまさかそこで時計の話を出してくるとは思わなかったので笑ってしまいました。そういうところがすごく息子らしいなとも思いました。ただ、学校で時計ばかり見ずにきちんと先生のお話が聞けているのか不安です…笑。
――小学校にも慣れてきた頃かと。その後、時計以外のお話などは?
元々あまり自分からは教えてくれないのですが、学校生活のことを聞くと少しずつ質問に対して答えてくれるようになってきました。ただ、やはり時計の話をしている時が一番生き生きとしていて、最近は学校の時計が止まったりしていないかよく確認しているようです。また、学校のチャイムはロンドンの「ビッグ・ベン」の鐘の音をもとにしているので、毎日たくさん聞けて嬉しいとのことです。
最初は受験も考えたけれど、大事にしたのは…
――現在、ご自宅には何個くらいの時計が?
1歳過ぎたあたりから目覚まし時計や腕時計などを少しずつ集めはじめ、現在は腕時計から家庭用からくり時計まで様々な種類の時計を合わせると70くらいあると思います。親戚や知人からお古や新しい時計をいただいたりもするのですが、誕生日やクリスマスのプレゼントは必ずからくり時計をリクエストされます。
――中には「推し」の時計も?
好きなメーカーはやはり銀座にミュージアムも持っているSEIKOで、推しはその中でも「銀座和光」に飾ってある「輪舞(ロンド)」です。ちなみに、その「輪舞」シリーズの家庭用バージョンである「輪舞メゾン」というからくり時計を以前から欲しがっていて、昨年息子が年長のときに書いたサンタさんへの手紙にもそれをお願いしていたのですが、価格が480万円もするため「ほかのお友達へのプレゼントを買うお金がなくなってしまうから」と必死に説得しました。
――なんとも微笑ましいですが、それは説得が必要ですね笑。周りの方も認識されて?
息子は比較的大規模な保育園に通っていたのですが、たまに担任ではない先生にも「あ、時計好きの〇〇(息子)君のお母さまですね!」などと言われたり、お友達からも「時計といえば〇〇(息子)」「〇〇(息子)といえば時計」というような認識があったようです。小学校のクラスでの自己紹介でも時計のことを話したようなので、既にクラスの先生やお友達には時計好きであることを知ってもらっているようです。
――時計が出会いやご縁を結ぶきっかけに!ぴさんが息子さんの「好き」という気持ちや好奇心をとても大切に育んでいらっしゃることが伝わってきます。
実は小学校受験なども一時期考えたのですが、ある時プリントを解いていると、リビングらしき部屋の絵の中にそれぞれ時刻の違う腕時計と掛け時計が何気なく描かれてあり、それをじっと見て、問題そっちのけで「この腕時計と掛け時計、なんで時間が違うんだろう…?あ、でも掛け時計は電波時計かもしれないから、腕時計のほうが狂っている可能性が高いかも…」と。
そうやって考えている姿を見て、息子には問題を解く速さや正確さよりも、今は物事に対して疑問を持ったり自分なりの答えを出したりする部分を伸ばしてあげるほうが幸せなのかもしれないなと思い、受験はやめました。
ーー考え方が一変したのですね。
それからは各地で時計関連のイベントや時計博物館、時計台などのスポットを探しては小旅行したりと、時計要素の濃い日々を過ごしています。できれば親は観光もしたいのですが、地方に旅行に行っても大型家電量販店に立ち寄りたがるので、なかなか観光が進まなかったりします笑。
4歳の時の絵画コンテストでは、時計を描き、小学生以下の部で1位をいただき、審査員の方から「勢いがあって時計への愛が溢れている」とのコメントをいただきました。そして、小学校に入学してからも自由帳がGW前には一冊全部時計の絵で埋まっていて驚きました! 様々なデザインや機能のついたものがあり、観察力や想像力などは増して来ているのかなと思います。
――きっと様々な時計からたくさんのインスピレーションを受けているのでしょうね。
学校の勉強なども頑張ってほしいというのは親の正直な思いでもありますが、息子の人生は息子のものなので、命の危険につながること以外は親は子供から何かを取り上げる権利はないと思っています。息子自身が何かに没頭することで芽生えるものや出てくる結果についても、「親」という単なる一人の人間に想像できる範囲で何かを予想したり決めつけたりしないようにすることが、親ができる数少ない役割の一つなのだということを忘れないようにしたいです。
対象が何であれ、自分が「好き」と自信を持って言えるものが小さなうちからあるのはとても良いことだと家庭では話しています。時計に限らず、息子が「嬉しい、幸せ」とたくさん感じられるような人生を送っていってほしいですね。