小学生「子猫がまだ生きてる…」泥水まみれの瀕死の子猫を保護…あれから1年、元気な姿を見せたい「命に気づいてくれてありがとう」

渡辺 晴子 渡辺 晴子

「この子がいることを小学生が知らせてくれました。朝生きていてまだ生きてるんだと…
元気になったことをまた知らせに行こうと思います
もうすぐ1歳です」

昨年6月に保護した瀕死の子猫。もうすぐ1歳を迎え、元気に生きていることを2枚の写真とともにX(旧Twitter)に報告した飼い主のmakanonaさん(@Boopon_Tetsuto)。1枚目の写真には泥水にまみれた子猫…そして2枚目の写真には子猫がまん丸お目めのサビ猫さんに成長した姿が写っています。当時子猫がいることを通り掛かった小学生がmakanonaさんに知らせてくれて、保護することができたとか。

そんな瀕死の子猫が成長した姿に「あれから1年なのですね」「子供たちも命に気づいてくれてありがとう」「立派に育ちましたね!!」などと感激するコメントがたくさん寄せられています。多くの人たちが心を打った2枚の写真…保護した時のことや現在の様子などを、makanonaさんに聞きました。

昨年6月中旬、通り掛かった道で騒ぐ小学生 水路に瀕死の子猫が!

──瀕死の状態だった子猫を保護したのは。

「いろいろな偶然と見えない力が働いた日でした。昨年(2023年)6月中旬の15時半頃。平日の仕事がお休みの日、車で買い物に出かけた帰り道のこと。用事がなければ通らない道を通り掛かり自宅へ向かって運転していたんです。

ある会館の近くにある信号で停止しているとき、目に入ってきたのは10人くらいで騒いでいた小学生でした。集団下校の帰り道のようで。少し車内が蒸し暑くて、窓を開けていたので大きな声で話しているのが聞こえました。気になり、小学生のそばに差し掛かったところ…『生きてるよ。早く早く』という声が聞こえ、直感で猫ちゃんかな?と思って。すぐに車を会館に止めて、状況を確認しました」

──確認すると、子猫がいたと。

「はい。水路に子猫がいました。話を聞くと朝の登校時から落ちていたようです。体半分が長時間泥水に浸っていて…生きてるの?と半信半疑でした。万が一亡くなっていたらと考えると、小学生に見せるのはどうなんだろうと考え、警察に通報することに。警察から『動物レスキューは消防なので、消防にも連絡入れてください』と言われて連絡しました。

小学生たちは子猫に声をかけ続け、その中の勇敢な女の子が待ってられないと水路に入ろうとしました。小学低学年の子がスッポリ入ってしまうくらいの深さだったので、警察や消防の方々が来るまで待つように促しました。そして…警察官や消防の方々が駆けつけてくださり、子猫を引き上げてくださいました。衰弱していましたが、奇跡的に生きていたんです。すぐさま私の車につんでいた毛布にくるみ、キャリーに入れて動物病院に運びました」

──病院に連れて行って、どうなった?

「生後2週間過ぎくらいで、歯が生えたての子猫の雌だろうとの診断。獣医師に泥を落とさなきゃいけないけれど、衰弱しているので心停止するかもしれないと言われました。でも生きる力を持った子でした。その後何日か兄弟がいないか、母猫がいないかの確認に行きましたが見つからなかったです。

病院に連れて行った後は5日ほど有休をもらいお世話をしたり、仕事の際は動物病院に預けたり。ただなかなかご飯を食べてくれなくて…獣医師に感染を調べてもらい問題がなかったので、ケージから出して先住猫たちと触れ合えるようにと決断。おかげで、ご飯の食べ方や水のあるところ、遊び方など先住猫たちが子猫に教えてくれて食べられるようになって。そうしたら信じられないくらい、みるみる元気になりました」

ご飯の食べ方やお水の飲み方を子猫に教えてくれた先住猫

──先住猫ちゃんたちがお世話をしてくれたんですね。

「子猫は理由の分からないまま先住猫の後をついていき、怒られたりもしていましたが、ご飯の食べ方やお水の場所…飲み方を何となく先住猫たちが教えてくれているようでした。そのうち先住猫たちと一緒に寝ていたり、今は他界しましたが飼っていた犬のこてつにくっついていたりもしました」

──子猫のお名前は。

「レアです。奇跡的に(レア)命が助かったことから名付けました。6月中旬に保護しましたが、獣医師の診断で6月初めに生まれているだろうということで、6月1日をお誕生日に。なので、もうすぐ1歳になります」

飼い主「小学生にサビ猫が元気になったことを伝えたい」

──レアちゃんのことを知らせてくれた小学生に今も元気に生きていることを伝えたい?

「伝えたいです。小学校は動物病院から10分くらいの所にあります。保護した翌日にも当時の教頭先生に事情を話して、生きていることを伝えました。給食後の休み時間に訪れて校長室で小学生と再会。5分ほどの短い時間ではありましたが、抱っこしてもらいました。みんな喜んでくれて。今度は1歳になる6月に再び小学校に足を運び、1歳になったことを小学生たちに伝えたいです」

──レアちゃんを保護してどう思った?

「私たち人間には限界があると感じつつも、この子は生きる力を持っていたんだなと思いました。また先住猫たちがいることは私にとっても大きな力になりました。先住猫たちが赤ちゃんに優しい気持ちを出してくれたことが、子猫の生きる活力につながったんだと思います」

makanonaさんのおうちには、一番年長の女の子りぼんちゃんと茶白の男の子テンくん(4歳)、キジトラのリズちゃん(1歳)の先住猫ちゃんが3匹います。レアちゃんは、りぼんちゃんの真似をして外を眺めたり、冷蔵庫の上に乗ることを覚えたり。またご飯の食べ方や水の飲み方などを教えてくれたテンくんのことが大好きだとか。リズちゃんとは姉妹のようで、2匹でおうちの中で大運動会をしたり、一緒にいたずらしたりしているそうです。

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