先日行われた、新しい動画クリエイターを発掘するTikTokショードラアワード2024でクリエイター賞を受賞した、鈴木朝代さん。
鈴木さんは、様々なキャラクターがインタビューを受けるという設定で、人生の悲哀を面白おかしく描いたドラマをTikTokで配信し注目を集める個性派俳優です。
今回の受賞作「インサイド、シャツ」は酔っぱらって自分の顔をプリントしたTシャツを作ってしまう女性のストーリーで「カメラを止めるな」の上田慎一郎監督からも大絶賛されました。鈴木さんにお話を聞きました。
ーー受賞、おめでとうございます。
鈴木:ありがたいことにクリエイター賞をいただき、芝居ではなく作り手としての評価を頂けたことで、もっと広い視野で自分の好きなことに挑戦してみてもいいのだと勇気が出ました。俳優だけでなく、監督としても「縦型ショートドラマ」という今注目されつつあるジャンルを盛り上げていけるよう楽しく作品を作っていきたいと思います。
ーーTikTokへのドラマ投稿はなぜ?
鈴木:俳優の仕事が全然なくて。お芝居しているよりも、ラーメン屋のアルバイトでメンマをトッピングしてる時間の方が多かったんですよ。お店の食べログに私のことを「女将」と書かれているのを見て「このままでは本当にラーメン屋として一生を終えてしまう…」という危機感で撮り出したのが、TikTokなどに投稿している動画です。でも誰よりもあの動画を見て応援してくれるのもラーメン屋の常連さまたちなので、そんな皆さまとの出会いに心から感謝しています。
ーーとても自然に見えますが、実際に誰かにインタビューされているんですか?
鈴木:一度、夫に手伝ってもらったことがあるのですが、あんなヘンテコな話に誰かを付き合わせるのが何だか急に恥ずかしくなってしまって…。1人で全部やるのが良いみたいです。スマホ用の三脚を立てて、インカメで撮影しております。台本は作るのですが、あまり決めた通りにしすぎないようにしています。芝居のトレーニングにはならないかも、と思ったりもするので試行錯誤が必要ですね。
ーー辛い状況を明るく乗り切ろうとするキャラクターがクセになります。
鈴木: 楽しさと悲しさ、うれしさと苦しさって表裏一体と思うんです。その曖昧な境界線の部分に、その人の生きてきた強さとか、面白さとか、魅力的な人間らしさがたくさん詰まってる気がしていて。そんな部分を表現できたらいいですね。なんじゃこりゃ…ってなりつつも、見た後、ほんの少しだけ気持ちが軽くなるような、そんな動画を作りたいと思っています。
ーーキャラクター達にモデルは?
鈴木:特にいませんが、こうだったらいいなという私の妄想に近いです。私自身、プライドが高くて、すぐ他人をうらやましく思ってしまったり、いつもクヨクヨ悩んだりするんです。だから自分にない部分というか、結構自分がその時に悩んでたりすることに対して「こんな感じで物事をとらえられたらいいのにな」と思ってキャラクターを考える部分もあります。
ーー視聴者からの反応でうれしかったものはありますか?
鈴木:「今すぐ辞めた方がいい女芸人」という、小学校の時にセミって呼ばれてた過去を持つ女芸人の物語なんですけど、「わたしも小学生の時セミっていじられてた…」とコメントがあり、全く同じ境遇の方が居たんです。その方が「これ見たら少しセミを好きになれそう」と言って下さったのがうれしかったです。セミ、私も好きになりました。
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YouTubeやTikTokの流行や映画を観る時間がない人々の増加により、ショートドラマも発展をとげ、ほんの数分で起承転結があり満足感のある作品があふれています。短いからこそ、視聴者の想像力に委ねる作品も多く、考えさせられる作品も。隙間時間や疲れた時に、短い物語を観て、元気をもらう。新しいリフレッシュ方法なのかもしれません。
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