本日、滋賀県動物保護管理センターで保護されている猫、もんきち君の歯科手術をしました。もちろん、ボランティアです!
カルテを作成するために、ついさっき「もんきち」と命名されました。もんきち君は飼育放棄されたおうちからセンターにやってきた、推定5歳の男の子です。
結膜炎で目の周りは真っ赤っか、鼻周りは鼻水ハナクソ付き、鼻詰まりで常にスピスピー音あり、口周りはドロドロなヨダレが酷くて両腕もドロドロ…これでは譲渡先募集に出せないため、相談を受けました。もう何カ月もセンターで暮らしているそうです。
性格はとっても良くて人懐っこい、そしてなんとも言えないブサカワの「もんきち」君。猫風邪をこじらせたうえに歯周病も便乗して、目〜鼻〜口の慢性炎症が続いているようでした。さらに、血液検査をすると粘膜の炎症が治らない原因になりうる栄養不足もありました。
そこで、ブサカワもんきち君のために…私はひと肌脱ぎました! 麻酔をかけて、もんきち君のお口の中を診ると、前の小さな歯(切歯)は全て歯周病で抜け落ちていました。奥の歯(臼歯)もところどころ抜けたり欠けたり、根っこだけ残っていたり。その周囲の歯肉は真っ赤っかで…これでは痛みはでますしドロドロなヨダレが出るはずでした。
私は、臼歯を根っこも含めて全て抜きました。そして、もんきち君は翌朝にはすっかり元気になり、食事をモリモリ食べたそうです。
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それにしても、ボランティアは難しいですね。最近は災害時に募金を集める団体が増えましたが、そこに寄付金を送ると…何に使われるのか?どんなふうに使われるのか?ちゃんと自分の寄付は被災された方の笑顔に繋がっているのか?と、ふと考えてしまいます。
以前、環境保護活動団体にサブスクで寄付をしたことがあるのですが、寄付を始めた途端、毎月カラー刷りパンフレットが郵便で届き、いろいろな募金付きグッズのカタログが届き、ときには日曜日の朝にもっと寄付金を!という電話がかかる状況になりました。
カラー刷りパンフレットを郵送するお金は、もっと実際の保護活動に使って欲しいなぁと思ったのですが…。24時間テレビのパーソナリティやマラソンランナーに高額なギャラが支払われていることにも、違和感を感じますね。
そして、保護猫ビジネスという言葉があるように、今どきはボランティアと言いながら譲渡時に貰い手さんは万単位のお金を請求されることもあります。以前、ある方が保護団体から猫を迎え入れるときにお金を請求され、驚いて私に相談がありました。
もちろん、病気の治療やワクチン、フード、シーツ代など、保護して譲渡が成立するまでには何かと費用がかかることは重々承知しておりますが、万単位になると、えー?元々野良猫が産んだ猫を拾ってきたのに?…と考える方もおられますし、そう考えると結構な金額です。
また、多くの保護団体は心から保護猫の幸せを願って奉仕活動をされているところがほとんどだと思いますが、譲渡金や寄付金の使い道は、誰でもすぐに見ることが出来る収支報告書としてホームページ などに明示して欲しいなぁと私は思っています。
そういう意味では、被災猫の一時預かり(当院では、能登半島地震で被災された方のうち、化学物質過敏症の方が飼っておられる猫の一時預かりを承っております)や保護猫の手術は、直接笑顔を見ることが出来て、嬉しいです。もんきち君も、こんな顔で笑ってマスね。
この写真は、もんきち君の1カ月前です。もともと目が小さくて逆まつ毛っぽいので風邪をこじらせやすいようです。もんきち君はいま順調に回復しているので、このままいけば、3月3日日曜日に滋賀県動物保護管理センターでずっとのおうちを募集されるそうです! 動物保護管理センターの譲渡先探しでは、もちろん金銭の請求はありません! もんきち君の手術費用も請求いたしませんので、ご安心を。
この写真は手術後のものですが、まだまだ目の周りの縁取りは消えませんが、鼻周りは少しきれいになりましたね。