森永製菓のロングセラー菓子「チョコボール」を1日1個開封し、「くちばし」と呼ばれる開封口の写真をSNSに投稿し続ける人がいます。関東在住の30代会社員男性「チョコボール開封おじさん」さん(@chocoballGT)。2014年の春から始め、これまでに開封した数は3592個(2023年12月31日現在)というから驚きます。
金のエンゼルは「こんなにも出ないものなのか」
幼いころからチョコボール好き。なのにおもちゃのカンヅメがもらえる当たりマーク「金のエンゼル」が出た経験はゼロ。「自力で当ててみたい」。憧れが強くなり、2014年3月1日から「チョコボール開封おじさん」の活動をスタートしました。
開封は1日1個。開封口を押し上げ、エンゼルのイラストの有無を確かめます。はずれでも写真を撮影し、自身のX(ツイッター)に投稿することが日課です。「ちょうどSNSの流行り始めでしたので、自分の投稿がどれくらい広がるのかも見てみたかったからです」。室内だけでなく、出先の東京ドームや岡山駅などをバックに撮影することも。変化に富んだ背景はユーザーらを楽しませています。
購入単位は一度に20箱。活動開始当時の希望小売価格は1個70円、現在は90円台。これまでにチョコボールのために使った金額は「覚えていません…」。
複数の味があるとはいえ、さすがに毎日だと飽きるのでは。そう尋ねると男性は、「毎日ワクワクしながら開封しています! 味に飽きたりはせず、毎日おいしくいただいています」とチョコボールへの深い愛をみせました。
しかし過去に一度だけ心がざわついたことも。
「挫折ではないのですが、500個あたりで『こんなにも出ないものなのか』と長期戦を覚悟しました」
ついにその日が! キョロちゃんからも祝福
開始から1409個目の2018年1月8日。ついにその日が訪れます。
男性は同日午後10時すぎにSNSを更新し、金のエンゼルの写真を公開。本文にはシンプルにハッシュタグ「チョコボール」「金のエンゼル」とだけ付けました。
固唾をのんで見守っていたファンは多かったようで、「ずっと見てました!おめでとうございます!」「ついに金のエンゼルでたんですね」「いいもの見させてもらいました」「継続することに意味があるんですね」など、祝福のコメントが続々と寄せられました。
翌朝8時過ぎには、森永製菓の公式アカウントからもお祝いのコメントが届きました。
「わぁー、ついに金のエンゼルとの感動的な出会い!おめでとうございますー!!!そしてチョコボールいっぱいありがとうございます!」(森永製菓の公式アカウントから引用)
これに対し男性は、「ついに出会えました!ありがとうございます!」と反応。
チョコボールのキャラクター「キョロちゃん」からは「おわあああ~!チョコボール開封おじさん、金のエンゼルおめでとうございます!これからもよろしクエッ」とかわいらしいコメントが。地道な活動が公式アカウントにまで届くことを実証しました。
金のエンゼルが出たのはこの一度だけ。その後も開封を続けるのには理由がありました。
「前回、金のエンゼルが出たタイミングが確率2倍期間だったので、通常時に出るまでは続けようと思っています」
今年も「チョコボール開封おじさん」さんの投稿から目が離せません。
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チョコボールの前身は1965年発売の「チョコレートボール」。パッケージのシルエットが鳥に似ていたことから、鳥のキャラクターを考案することになり、1967年にキュロちゃんが登場。1969年にはチョコレートボールを略した「チョコボール」に改名。金のエンゼル1枚、銀のエンゼル5枚でおもちゃのカンヅメ1缶がもらえます。エンゼルの出現率は非公開。