「犬の散歩中 子猫が道を横切ってたので車を停めたらホイールの中に入ってしまい出て来てくれないんです。と言う赤ちゃん連れの方に遭遇。あの日から1か月あの時の子猫は今こんなに犬に大切にされていますよ」
子猫の顔を優しくなめる大きなワンちゃんの写真がX(旧Twitter)で話題を集めました。
投稿したのは、ワンちゃんの飼い主オレオさん(@oreoreo0517)。ワンちゃんは、ボーダーコリー のあられちゃん(雌・5歳)といいます。子猫は飼い主さんが1カ月前にタイヤのホイールから保護したテオルくん(雄・推定2カ月半)。母性の強いあられちゃんは、テオルくんのお世話に勤しんでいるとか。そんなあられちゃんのテオルくんへ向ける優しい眼差しにキュンキュンする人たちが続出。感激する人たちからコメントが寄せられています。
「しあわせそうでよかったこれからも元気でね」
「大きなワンコちゃんは優しいですね。子猫への愛が溢れています」
「慈愛に満ちた眼差し」
「言葉なくても通じる愛」
「種を越えて・・・人間も見習わなければ」
多くの人たちの心を打ったあられちゃんのテオルくんへの愛情あふれる写真。テオルくんが保護されるまでのいきさつや現在の様子などを、飼い主さんに聞きました。
犬2匹を散歩中に遭遇 車の側面を叩く女性「子猫がホイールに入り込んでしまった」
――あられちゃんにとても大切にされているテオルくん。保護の経緯を教えてください。
「1カ月ほど前、夕方に犬の散歩中、子猫の鳴き声が聞こえてきました。どこだろうと歩いて行くと道に停めた車の側面を叩きながら『お願いだから出てきて』と困っておられる女性がいたんです。尋ねてみると、『子猫が道を横切ろうとしたので危ないと思い一旦停止したら、子猫が(タイヤの)ホイールに入り込んでしまった』とのこと。ホイールをのぞき込むと側面を叩かれたことで逆におびえてしまっている子猫が怒っていました」
――子猫がおびえてしまってなかなか出てこなかったのですね。
「女性は赤ちゃんと幼児2人を車に乗せていて。ご自身は猫アレルギーがあるので触れられないとのこと。この時点で私が猫を保護するしかないなと思いました。ただ犬を連れていたので、どうしようかと考えていた時にゆっくりと横を通り過ぎようとする車がこちらを気に掛けているように見えたので『猫が挟まって出てこないから手伝ってくれる?』と声を掛けたら快諾してくださいました。保護できたら私が連れ帰って責任をもつことを伝えました。当時、中に入り込んでいたのは子猫2匹。1匹はすぐに保護できましたが、もう1匹は手の届かないところでなかなか保護できず…」
――どうなった?
「保護の手伝いをしてくれた男性のお友だちが動物関係の仕事をしているからと連絡をしてくれて。男性のお友だちが『ちゅ~る』片手に保護に来てくれたんです。車の下に潜り込み子猫に声を掛けながら何とか保護を試みてもらって。その間、私や男性は子猫が飛び出しては危険なので、横を通る車に速度を落として通過してもらえるよう頭を下げていました。1時間ほどかかりましたが、ようやく2匹目も保護することができて。もちろん2匹とも引き取るつもりでしたが、最後に保護に協力してくれた男性のお友だちが1匹おうちに迎えてくれるということになり、テオルだけ我が家に連れ帰りました」
――無事に保護されたテオルくん。その時の様子は。
「テオルは保護した後、抱っこするとおとなしく抱っこされていましたね。片手に犬のリードを持ちながら、片手にテオルを抱きかかえて家に帰りました。途中、既に我が家の犬2匹は子猫に興味津々。自宅に犬を連れ帰った後、その足でテオルを連れて動物病院に走りました。診てもらって、けがもなく回虫もおらず健康状態は良好でした」
保護した子猫を家に連れ帰ったら、犬2匹は興味津々!
――保護当時、散歩に連れていたのはあられちゃんと、同じくボーダーコリーのオレオくん(雄・9歳)2匹でしたね。
「はい。保護当時、動物病院で犬との直接の接触は2日後からと言われていたので帰宅後、犬のソフトケージを借り宿にしてテオルを入れましたが、やはりオレオとあられは興味津々。我が家はオレオとしては3匹目、あられとしては2匹目となる保護猫ということもあり全く警戒心なく受け入れてくれました。あられはテオルの世話がしたくて仕方なくうずうずしているよう。2匹ともテオルの入っているケージの側にずっといました。テオルは最初こそ警戒していましたが、すぐに大きな犬にも慣れたようで。直接対面した時も最初から家族か?と思うくらいテオルは平然とあられたちに毛繕いされていました」
――それから1カ月ほど経って、今回投稿したあられちゃんとテオルくんのツーショット写真が話題になりました。
「あられは前回の保護猫の時もそうでしたが、母性が強いらしくずっとテオルの世話を焼いています。毛繕いをしたりと、最初は甘やかすばかりでした。毎朝起きたらすぐケージの前に行きテオルを出してほしいと訴えて、出してあげるまでケージの前から離れません。飼い主としてはあられの母性とテオルの愛されて当然感にいつも動物ってすごいなあと思っております」
子猫は里親さんの元へ行くことに 犬たちとの別れはつらい…?
――種を超えた愛ですね…現在のテオルくんと、オレオくん、あられちゃんたちの関係は。
「最初の2週間はそれこそ猫っかわいがりってこういうことかと思うくらい甘々に育てていたオレオとあられですが、テオルが大きくなるにつれ今では痛いことをしたらダメ!などいろいろ教えるようになりました。それでも、あられはずっとテオルの世話をしています。あられが怒っても伝わらないこともオレオが一喝すると伝わるようで…オレオにはテオルも一目置いている様子です。そしてオレオあられはお互いにテオルに対しての力加減や遊び方がエキサイトしそうになると、もう片方がそれを制止し合っています。片方が怒ると片方が甘やかす。まるで人間の親子みたいです」
――そんなテオルくんをまるで親子のように接するオレオくんとあられちゃんたち。普段はどんなワンちゃんたち?
「オレオはとにかく優しい子です。世の中の全ては僕のことを好きでいてくれると信じてやまないような。妹分のあられにも尻にしかれっぱなしです。あられは、とにかくオレオのことが大好きで甘え上手。頭の回転が早く、周りの雰囲気を素早く読み取り行動する子です」
――テオルくんの今後は?
「テオルは娘の仕事場の方のおうちに行くことになっています。先住犬がいらっしゃるので、我が家で犬慣れしていてくれているのは安心だと思います。保護に関わる時は最終我が家で飼うつもりで保護しますが、過去の子猫たちもそうですが、テオルも幸せになれそうなずっとのおうちがすぐに見つかって本当に良かったです」
今回のXの投稿を、車に乗っていた女性も目にして「幸せそうな姿が見れて安心しました」とメッセージをもらったとか。またテオルくんとお別れになってしまうとオレオくんとあられちゃんたちは寂しくなってしまうかもしれないけど…今一緒にいる時間を楽しく過ごしてくださいね。