「バイト先の飲み会外しの話」という漫画がXに投稿されて注目されました。バイト先や学校、職場の飲み会には賛否がありますが、みんなが参加する飲み会に声をかけられない人がいたら…。
そんな大学時代のバイト先のエピソードを漫画にしたのは、漫画家の「あさのゆきこ(@YUKIKOASANO)」さんです。当時、あさのさんはスタッフ10人ほどのドラッグストアでアルバイトをしていました。たまに飲み会がありましたが、あさのさんは上司に嫌われていたので誘ってもらえなかったこともあったそう。
そのため、「今日飲み会行く?」と聞かれて、「えっ…(誘われてない!)」と気まずい雰囲気になることもありました。しばらくすると、あさのさんを飲み会から外していた上司が異動して、飲み会に誘ってもらえるようになります。
そんなある日、爽やかなアルバイト先輩が飲み会を企画して、あさのさんに声をかけました。普通に誘ってもらえたことにホッとするあさのさん。しかし、そのあと先輩の口から飛び出したのは「Aさんは、誘わんとこな」でした。
驚いたあさのさんは「なんでですか?」と思わす聞きますが、先輩は「えーだって、あの子いつも暗いやん。そんなやつと飲みたくないし」とサラッと返事をして去っていきます。後ろ姿を見送りながら、「そんなこと言わないでみんなで飲みましょうよ」と言えなかったことが、今も心に引っかかっています。
飲み会の日、Aさんが誘われないことにモヤモヤしながら待ち合わせ場所にいると、社員子さんがAさんを連れて現れました。爽やか先輩が「あ、Aさん来たん?」と言うと、社員子さんが「そやで、も〜忘れんといたりーな」と明るく対応します。
飲み会があることを知らなくて「えっ…(誘われてない!)」になったAさんに、「幹事が連絡忘れたんやなぁ、あとで言うたらなあかんな。Aさん用事ある?なかったら一緒に行こ!」と連れて来たと社員子さん。
あさのさんは、もしかしたら社員子さんはAさんが外されていることを知りながらスマートに連れて来たのかもしれない…と考えます。そして日常に戻ったドラッグストアで、今度飲み会外しがあったら、勇気を出して社員子さんのように振る舞いたいと思ったのでした。
漫画の社員子さんの対応に「社員子さん素敵。これはスマートなやり方ですね。」と称賛の声が続々。また、飲み会でモヤモヤした実体験も集まりました。
「社員子さんの立場になっちゃってテンパった事あったな、こういうの面倒いよね」
「こう言う事をやる奴はナチュラルにやるから厄介なんだよなぁ」
「わかるーこれ結構あります。なんだかんだどこかから耳に入るんですよね… 女子会なのに私だけ誘われないとかもあります。こないだは誘ってくれなかったのにあとから来ないー?って酔っ払って電話してきて殺意湧きました」
「私も職場では無いですが学生時代にありました。部活の練習の後「じゃあね👋」って解散した後私抜きで再集合してご飯食べていたことをSNSで知りました」
「飲みの規模大きくしたくないじゃん?って言われて限定飲み会誘われるのでいつもモヤって、行くの断ってます 誘うならみんな誘えやーっていつも思います Aさんに声掛けた方は素敵な方ですね」
あさのさんに、当時のことを聞きました。
──漫画は実話ですか?
はい、実話です。大学時代のバイトの話です。
──飲み会の集合場所に、社員子さんとAさんが現れたとき、先輩を含めてどんな雰囲気だったのでしょうか。
皆さんは飲み会の参加メンバーを細かく把握していなかったみたいなので、普通に受け入れてるように見えました…が、裏ではどう思っていたのかいまだに分かりません。
──飲み会から外そうとした先輩も、Aさんと普通におしゃべりしながら飲んだのですね。Aさんは、飲み会のあと、バイト先に馴染まれたのでしょうか。
はい。馴染まれていたと思います。先輩が就職でやめたのも理由だと思います。
──…やっぱりモヤモヤしますね。
先輩はその後も順調に人生を歩まれたと思います。罰が当たったとかそういう事はありません。モヤモヤしますがそんなもんですよね…。
──なぜこの時のことを漫画にしようと思われたのですか?
最近バイトしていたドラッグストアの跡を通ることが多く、思い出を漫画にしてみようと思いました。
──心に引っかかっていたことを描くことにされたのですね。その後、社員子さんのようにふるまう機会はありましたか?
幸運なことに?その後は飲み会外しをするような場面に出くわしたことがないので機会もありません。幸せなことです。
──それはよかったです!「飲み会外してくれるとか最高じゃない??」と言う方もいらっしゃいました。
意外に外してくれても構わないというコメントが多くて印象的でした。私は行かないにしろ一応声をかけてほしいので…。
◇ ◇
飲み会に行きたくないという人は誘われないほうが嬉しいと言う人もいますから、声をかける方も難しいところですが、誘った上で、行きたくなければ行かなくても良いという雰囲気作りができると、誰もモヤモヤしないのかもしれませんね。
あさのさんは、今回のようなエッセイ漫画や創作漫画を、ブログやインスタグラムに発表しています。保育園児ママの創作漫画は、切なくて胸がキュッとなります。
■「あさのの漫画置き場」(ブログ) https://asanosousaku.livedoor.blog
■「あさのゆきこ」(インスタグラム) https://www.instagram.com/yukikoasano17/