片手が不自由でも瓶の蓋を開けられる道具が「人に優しい発明」と話題 作業療法士が開発

中将 タカノリ 中将 タカノリ

片手で瓶やコーヒー等の金属の蓋を開けることのできる道具が開発され、SNS上で大きな注目を集めている。

「これすごいな...。何らかの理由で片手が不自由な方は『ペットボトルの蓋以外でも、瓶やコーヒー等の金属の蓋が開けられない』というお話を伺います。そこで、友人の作業療法士が蓋の大きさに関わらず、片手で金属の蓋を開けられる道具を作ってくれました。これは多くの方に知ってほしい道具です。」と件の道具を紹介したのは大阪公立大学医学部リハビリテーション学科教授の竹林崇(@takshi_77)さん。

この道具は田川新生病院訪問リハビリテーションセンター主任代行の川口晋平さんが手がけたもの。蓋の上からかぶせてねじで締め、あとは指で回すだけ。これまで片手では困難だった動作を実現するこの貴重な発明に、SNSユーザー達からは数々の称賛の声、感謝の声が寄せられている。

投稿者に聞いた

竹林さんに話を聞いた。

ーーこの道具が開発された経緯を。

竹林:以前、ペットボトルオープナーを開発した際に、金属のコーヒーの蓋が開けられないといった要望があったため、それに対応するために作成しました。

ネジの操作に少しコツは必要ですが、ペットボトルの蓋も含めて、多くの蓋の開閉に活躍できる道具なので、非常に便利だなと感じています。

ーー発売の予定はあるのでしょうか?

竹林:すでにウェブショップ上で「片手で瓶や缶コーヒーの蓋を開けられる自助具」という商品名で販売しております。

ーー投稿への反響について。

竹林:「一つの道具で対応できるのが素晴らしい」「金属の蓋が開けられなくて困っていたので、とても便利そう」と言ったポジティブなご意見をいただきました。

◇ ◇

筆者の祖父は戦傷で右手を肘から失っていたため、健常者ならなんでもなく出来るような動作に不自由している姿をよく見かけた。こんな発明がより一層盛んになってくれることを願いたい。

なお今回の話題を提供してくれた竹林さんはこの反響に乗じ、自費リハビリテーション施設「Selbst-D」を紹介したいとのこと。現在、脳卒中等の病気を発症し、障害を患ってしまった場合、180日を上限として、医療保険でリハビリテーションを受けることができるが、その期間を過ぎると潤沢なリハビリテーションを受ける機会は少なくなり、身体障害の回復の阻害因子となる。そこで大阪公立大学と株式会社帝人が産学連携で運営する「Selbst-D」では障害を持つ人々の人生の質を向上するため数々の試みをおこなっているということだ。ご興味ある方はぜひ公式ホームページなどチェックしていただきたい。

竹林崇さん関連情報
Xアカウント:https://twitter.com/takshi_77
「片手で瓶や缶コーヒーの蓋を開けられる自助具」商品ページ:https://isotope.thebase.in/items/78651114
Selbst-D公式ホームページ:https://www.selbst-d.com/

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