長年家族として過ごしたペットとの別れを経験した人は「ペットロス」について、どのような意識を持っているのでしょうか。犬・猫を亡くした経験があり、現在はペットと一緒に暮らしていない全国の男女1000人を対象に調査をしたところ、約6割の人が「ペットとの別れに後悔を感じている」と回答しました。また、後悔を感じている理由としては、「もっと何かできたのではという漠然とした思い」が最多となったそうです。
アイペット損害保険株式会社(東京都江東区)が「ペットロスに関する調査」と題して2023年9月にインターネットで実施した調査です。
調査によると、65.2%の人が「ペットロスという言葉を聞いたことがある」と回答。「聞いたことがあり、意味も知っている」(20.8%)も合わせると、認知度は8割強となりました。
これを2017年の調査と比較すると、「聞いたことがある」と回答した割合が16.5pt増加しているのに対して、「聞いたことがあり、意味も知っている」と答えた割合は10.5pt減少していることが分かりました。
続いて、「ペットを亡くした際にペットロスになりましたか」と聞いたところ、「ペットロスになった」と答えた人は62.3%。「ペットロス」になった623人に対して、「ペットロスの症状」を複数回答で教えてもらったところ、「突然悲しくなり涙がとまらなくなった」(57.6%)が最多となったほか、「疲労感や虚脱感、無気力、めまい」(31.8%)、「眠れない」(15.1%)「食欲不振、過食」(13.2%)といった多様な症状・状態に見舞われていることが明らかとなりました。
なお、ペットロスになった623人のうち、74.2%が「ペットロスになっている自覚があった」と回答しています。
さらに、「ペットロスの症状・状態が続いた期間」については、「1カ月未満」(23.9%)や「1カ月~3カ月未満」(20.4%)が多くなった一方で、「わからない」(22.2%)という人も約2割いることが分かりました。
これを世帯人数別でみると、「3カ月未満」と答えた割合は、世帯人数が2人以下の場合は30.5%となった一方で、世帯人数が3人以上では46.7%となり、「ペットロス」の持続期間は多人数で同居しているほうがペットロスの症状が続く期間が短くなる傾向がみられました。
また、全回答者に対して、「ペットを亡くした悲しみを癒すきっかけとなった出来事」を複数回答可で聞いたところ、特に「ペットを悼む気持ちを肯定する」(43.5%)が多くなりました。2017年調査との比較では、「ペットの遺品を整理する」が9.6%から14.9%、「家族や友人など犬・猫とお別れした経験を持つ人と悲しみを共有する」が5.9%から12.5%へそれぞれ増加していました。
次に、「亡くなったペットに対して、後悔したこと(していること)」について聞いたところ、57.9%の人が「後悔したこと(していること)がある」と回答。
「後悔したこと(していること)がある」と答えた579人に、その理由を複数回答で教えてもらったところ、「もっと何かできたのではという漠然とした思い」(48.4%)、「一緒の時間の過ごし方」(46.3%)、「最期の時間の過ごし方」(40.4%)などが上位に挙がりました。
なお、自由回答では「家族との治療方針について」「安楽死の選択」「自分のミスで怪我をさせた事」といった記述がみられ、ペットが亡くなる原因となった病気やケガに関する後悔や、治療に関する後悔を抱えている人が多いことがうかがえる結果となりました。
一方、「後悔していることがない」と答えた421人にも同様に答えてもらったところ、「十分に一緒の時間を過ごすことができたため」(66.5%)、「老衰で安らかに亡くなったため」(38.7%)などが上位となりました。
続けて、「ペットはどのような存在でしたか」と聞いたところ、77.5%の人が「家族」と回答。また、「ペットと一緒に暮らすことで得られた経験や気づき」については、「命の尊さ」(52.8%)、「楽しさや大きな喜び」(48.8%)といった回答が上位を占めました。
最後に、「機会があればペットと一緒に暮らしてみたいと思いますか」と聞いたところ、67.0%の人が「一緒に暮らしてみたい」と回答したそうです。
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調査を実施した同社は、「ペットとの別れは辛いことですが、残念ながら避けては通れません。ペットと共に健やかに過ごせる時こそ、一緒に過ごす時間を十分にとることを心掛けるとともに、病気やケガへの備えを万全にし、皆さまの大切な家族であるペットの生涯とその健やかな暮らしが少しでも後悔なく続くよう、ペットと過ごす時間を充実したものにしていただければと思います」と述べています。